ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

サーブミスが目立ち、第1セットを失セット。第2セット以降はトータルディフェンスが機能し、カジースキの活躍などで勝ち切った

 前日の開幕戦でストレート勝ちしたチーム同士の対戦だ。相手は、昨シーズン一度も勝てなかったサントリーサンバーズ。タフな試合になることが予想された。

 果たして、ジェイテクトSTINGSは第1セットから苦戦を強いられることになる。要因はサーブだ。ミスが続いて流れをつかむことができない。序盤こそセッターの小林がトスを散らして得点を重ねていった。さらに小林の好レシーブでつないだボールを伏見がブロック。一時は10−6とリードを奪っている。
 しかし、その後は我慢の時間が続いた。西田のスパイクもつかまり11−11の同点に。饒の速攻などでサイドアウトを切るが、2点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 チームを救ったのは、リリーフサーバーの藤中だ。1点差に迫った。しかし、その後は互いに1点ずつを取り合う展開。西田のスパイク、カジースキのバックアタックなどで確実に得点を重ねていくが、先にサントリーがセットポイントを握った。最後は浅野のサーブがアウト。第1セットを23−25で失った。

 ジェイテクトSTINGSの反撃は第2セットから始まった。サーブを修正。開始早々、西田がサービスエースでスタンドを沸かせた。6−8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、反撃のチャンスは残されていた。
 チームを盛り上げたのが浅野だ。豪快にスパイクを決めてチームを鼓舞。伏見もフェイントで続いた。再び西田にサーブが回ってくると、饒のブロックポイントをお膳立て。さらにノータッチエースを決めて、11−12と1点差に迫った。
 サイドアウトの応酬が続く。14−15になったところで、セッターを小林から中根にスイッチ。この采配が功を奏した。さらに16−18でリリーフサーバーの藤中を送り込んだ。相手のミスを誘って17−18。カジースキが二段トスを決めて、ついに18−18の同点に追いついた。
 浅野のパイプ攻撃が機能した。カジースキも大車輪の活躍を見せる。フェイントでサイドアウトを切ると、自らのサーブで相手を崩し、切り返しからバックアタックを決めて逆転に成功。浅野のスパイクなどでサイドアウトを切った。西田がレフトから決めてセットポイント。我慢の先にやって来たのは光だ。西田のスパイクでラリーを制して25−23。セットカウントを1−1のタイに戻した。

 サーブが機能すれば、ジェイテクトSTINGSのペースだ。第3セットの立ち上がりは、伏見が2本連続でサービスエースを奪った。伏見は高さを生かしたブロックでも活躍。3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 しかし、サントリーも試合巧者だ。突き放しても、粘り強く追いついてくる。8−8からジェイテクトSTINGSがブレイクポイントを奪い再びリード。しかし、3連続失点で逆転を許した。西田、カジースキが立て続けに決めて逆転。伏見がサービスエースを決めて2点のリードを奪った。
 互いに1点ずつを取り合う展開が続いた。リベロの本間が強烈なキャプテンシーを発揮する。チームが崩れない。16−16から西田が2本連続で決めてリードを広げた。藤中のサーブからカジースキがスパイクを決めてリードは3点。饒が決めてラリーを制した。西田のサービスエースで23点目。これでこのセットの趨勢は決した。最後は中根の得点で、このセットを25−21で奪った。

 第4セットは文字通りの死闘を繰り広げた。ジェイテクトSTINGSのスタートは第3セットと同じメンバーだ。中根が積極的にサイドを使って相手のブロックを翻弄した。カジースキ、饒、西田がその期待に応えて確実にサイドアウトを切る。要所で伏見も決めた。
 7−10から3連続得点。カジースキの強打、浅野のバックアタック、西田のサービスエースで同点に追いついた。西田がブロックで止められたが、13−15から再び3連続点。西田、浅野が加点する。中根がサービスエースを決めると1点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 ここからはサイドアウトの応酬だ。両者ともに譲らない。ジェイテクトSTINGSは全員で戦った。西田が止められても浅野が決めた。浅野のサーブが相手のミスを誘ってついにマッチポイント。サントリーも諦めなかった。西田のサーブの場面で、前衛に金丸を投入。高さを加えたが、ここは1本で切られた。カジースキが決めて4度目のマッチポイント。最後はカジースキが大きな仕事を成し遂げた。サービスエースで28−26。接戦を制したジェイテクトSTINGSが勝点3を獲得した。

 大きな1勝だった。開幕2連勝で勢いをつかんだことはもちろん、昨年は一度も勝てなかったサントリーから勝点3をもぎ取った。チームは大きな自信をつかんだ。
「開幕戦ということで、この2勝は大きい。ここからファイナルに向かってどんどん強くなっていき、ステップ・バイ・ステップで優勝に近づいていきたい」
 試合後にこう語ったのは殊勲の中根だ。結果はもちろん、会場に訪れた多くのファンを魅了した。「ジェイテクトSTINGSのバレーは楽しい」。コートの上からそれがヒシヒシと伝わってくる内容だった。

高橋慎治監督

相手がサントリーさんということで難しい試合になることは予想していました。昨シーズンは一度も勝てなかったので、一矢報いたいという気持ちでした。第1セットは取られましたが、そのあとは全員で取り返しにいくことができた。試合に出ているメンバー、出ていないメンバーに関係なく、絶対に勝つという気持ちを全員が出せたと思います。競り勝ったことはとても貴重なことだし、これを今後につないでいけるようにしっかりと準備をしていきたい。自分たちは昨シーズン、7位のチームです。そこから這い上がり、1試合1試合を全力で戦い、最終的に優勝できるように頑張ります。

本間隆太

タフなゲームを勝ち切れたことは、チームにとって大きな財産になりました。ただし、サーブミスが多かったのは反省点。それを一人ひとりが理解しているので、これだけミスをしてもサイドアウトで我慢し、結果的に接戦をものにすることができたのだと思います。確かに、まだ少し余裕はありました。サイドアウトで粘っていれば、自分たちの持ち味であるサーブが入った時に優位に立てる。これまでは西田選手やカジースキ選手に頼ることが多かったけど、今は他の選手もいいサーブを持っています。ブロックとディグで粘って、ハイボールを打てる選手もいます。サイドアウトとブレイクの両方で自信を持っているところが、今シーズンの自分たちの強みです。

饒書涵

すごくいい試合ができました。第1セットはなかなかペースをつかむことができなかったけど、第2セット以降はみんなと協力して勝つことができた。日本のリーグはどこのチームも速いバレーをするという印象です。チームに合流した時はタイミングが合わないこともあったけど、今はどんどんチームの戦い方に馴染んでいます。これまではブロックで活躍することが多かったですが、これからは攻撃の面でも頑張ってチームに貢献したいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

サーブが機能して逆転に成功。トータルディフェンスが機能すれば大崩れすることはない

サーブの良し悪しが試合の流れを左右した。失った第1セットはミスが多かった。西田のサーブもネットに吸い込まれた。当然のことながらブレイクができない。しかし、第2セット序盤に西田がサービスエースを奪い、ここから徐々にペースを取り戻す。完全に流れをつかんだのは第2セットの中盤だ。西田のノータッチエースで1点差に迫った。全員がサーブで役割を果たし、逆転に成功。第3セットも伏見がサーブで相手にプレッシャーをかけた。「サーブに関しては、まだまだミスが出ています。しかも、固まって出ることが多い。大事なのは、サーブの精度を落とさずにミスを減らすこと。今日は途中から修正できたのでよかったです」。試合後にこう語った高橋監督。今のジェイテクトSTINGSには高さがある。フロアディフェンスも高いレベルを持っている。サーブを軸にしたトータルディフェンスが機能すれば、大崩れすることは絶対にない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 23 - 25
第2セット 25 - 23
第3セット 25 - 21
第4セット 28 - 26
第5セット
日付 2019年10月27日(日)
試合 V1リーグ レギュラーラウンド 第2戦
場所 武田テバオーシャンアリーナ
メンバー 伏見、饒、カジースキ、小林、西田、浅野 L本間
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