ジェイテクトSTINGS VS ウルフドッグス名古屋

西田が決定率79.2パーセントと大暴れ。今シーズン初スタメンの福山も躍動し、サーブ&ブロックで終始ペースをつかんだ

 開幕3連勝をかけて対戦するのは、今シーズンからチームの名称を変更したウルフドッグス名古屋だ。ジェイテクトSTINGSは、先週のサントリー戦からミドルブロッカーを福山に代えて挑んだ。

 浅野のサーブでスタートした第1セットは五分五分のまま、2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトまで進んでいく。好調を維持したのが、カジースキと西田だ。ブロックで止められる場面もあったが、強烈なスパイクを次々と相手コートに突き刺した。4−6の場面では全員が粘って相手のミスを誘い、ブレイクポイントを獲得した。
 真骨頂は7−9からの6連続得点だ。西田が立て続けにスパイクを決めて得点を重ねていく。完全に流れをつかみ、伏見のブロック、カジースキのスパイクなどで加点。本来は饒のポジションに伏見が入ったことで、高さも見劣りしない。その後も確実にサイドアウトを切ると、2回目のテクニカルタイムアウトを16−12で奪った。
 一時はサーブレシーブが乱れて連続失点を許したが、セット終盤に入るにつれて集中力を高めていく。タイムアウト明けのプレーで福山が決めて、嫌な流れを断ち切った。福山がサービスエースも決めて20−17。サイドを中心に攻め込むと、22−19の場面で金丸を投入。前衛に高さを加えた。
 カジースキのサービスエースでブレイク。浅野が巧みにスパイクを決めてセットポイントを奪う。最後は相手のミスがあり、25−19でジェイテクトSTINGSが第1セットを先取した。

 第2セットも同じローテーションでスタート。福山の速攻で先制した。西田が相手の攻撃をよく見てブロック。1点を返されたが、伏見が決めてサイドアウトを切ると、ここからジェイテクトSTINGSが怒涛の攻撃を展開する。
 西田がサービスエースを決めた。カジースキがスパイクでそれに続く。もう一度、西田がサービスエースを決めて6−2。リードを大きく広げた。さらに小林のツーアタックも飛び出して、ムードが最高潮に高まる。伏見がスパイクを決めて、8−2の大差で1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 要所でスパイクを決める浅野がいぶし銀の活躍を見せた。チームのブロックも機能。相手のスパイクからワンタッチを取り、つないだボールを確実に得点につなげていく。西田が12点目を決めるまでの過程は、まさにチーム力の結集だ。リベロの本間をはじめ、フロアディフェンスにおいても一人ひとりが役割を果たした。カジースキのブロックで16点目。16−7と大きくリードを広げて2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 抜群の安定感を発揮したカジースキが、ブロック、サーブでも活躍。リリーフとしてコートに入った藤中もチームを盛り上げた。浅野が難しい二段トスを決めて20点目。福山の速攻、西田のスパイク、伏見のブロックでセットポイント。最後は西田が相手コートにボールを押し込んで、25−13と圧倒した。

 第3セットは一進一退。セッターの小林がサイドにトスを散らして得点を重ねていく。浅野、カジースキが決めてサイドアウトを切った。福山の速攻などで3連続得点。1点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、内容は決して悪くなかった。
 点差が離れない。サイドアウトの応酬が続いた。ジェイテクトSTINGSは西田にトスを集めて確実に得点を重ねていく。我慢の時間が続いた。勝負の分かれ目になったのは、カジースキのバックアタックで16点目を決めたところだ。2回目のテクニカルタイムアウトが開けると、カジースキのスパイクでブレイク。さらに西田のブロックで3連続得点を奪った。
 18−16の場面では、本間が好レシーブを見せたが得点にはならなかった。さらに西田が止められて18−18の同点に追いつかれる。ここで高橋監督は、このセット1回目のタイムアウトを要求。カジースキがチームを立て直した。西田も続いた。20−20。西田のスパイクでサイドアウトを切ると、伏見のブロックで22−20。ついにリードを2点に広げる。さらにカジースキが連続でサービスエースを決めてマッチポイント。最後は西田が相手コートにボールをぽとりと落としてゲームセット。セットカウント3−0で快勝した。

 西田が79.2パーセントの決定率を残すなど存在感を発揮した。カジースキもサーブで4点を叩き出した。スタートで入った福山も機能。打数こそ少ないものの、ここで1点が欲しいという場面で確実に浅野が決めている。まさに全員でつかんだ勝利だ。
「いいところもあったけど、ミスがあったり、サービスエースを取られることもあった。いいところを継続し、悪いところを修正して、今週よりも来週とステップアップしていきたい」
 高橋監督は試合後にこう話した。今週は1試合で終了。来週のJT広島戦、堺戦に向けてしっかりと力を蓄え、白星をどんどん積み重ねていきたい。

高橋慎治監督

自分たちのバレーが展開できている時は、いい流れで試合を進められています。ただ、そうでない時は、相手にペースが傾きそうになる。大事なのは、相手に合わせるのではなく、常に自分たちのバレーを展開すること。そうすれば、今日の第2セットのような展開に持ち込めます。カジースキは、期待通りというかそれ以上の活躍です。“マテイ・カジースキ”というプレーを見せてくれている。他の選手も、全員が「負けるか」という気持ちで頑張ってくれています。相乗効果がいい形で表れていると思います。

福山汰一

いつも通りの気持ちで試合に入りました。ただ、メンバーが変わったから負けてしまったら話にならない。それだけは回避しなければいけません。自分のプレーにプラスして、周りの人とコミュニケーションを取りながらプレーしようと思いました。今シーズンは控えになることが多いけど、その中でもいきなり呼ばれて動けませんということだけはしたくない。コートに立つ時は、どれだけアピールして、どれだけ表現するかが大事。アップゾーンにいる時も体を動かして、汗をかきながらみんなとコミュニケーションを取り、いざコートに立った時に自分の仕事を出し切れるように頑張ります。

小林光輝

真ん中のクイックやパイプが持ち味ですが、相手に自分の特徴を知られていることもあり、今日はボールをどんどんズラしていこうと思っていました。先週よりも手応えはあって、自分の中でもいい配球ができたと思うし、トスの質も悪くなかったと思っています。3試合を消化しましたが、試合を重ねるごとに課題がどんどん出てきます。もちろんチームの勝利が一番の目標ですが、個人としても試合を通してどんどん成長していきたいですね。これからの試合もあまり考えすぎず、若手らしくチームを盛り上げていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

サーブ&ブロックでブレイクポイントを量産。練習の成果でミスの少ないバレーができている

ブレイクが取れるチームになった。第1セットの中盤、第2セットの序盤、第3セットの終盤と得点がほしい場面で確実に取れている。要因の一つはサーブだ。第2セットのブレイクは西田の、第3セットのブレイクはカジースキのサーブ時に生まれている。それだけではない。サーブで崩した上で、相手の攻撃を封じるブロックも機能しているのだ。高さはもちろん、今日は福山もブロックで貢献した。それに伴うフロアディフェンスも秀逸。「全ての選手から『点数を取ってやろう』という気持ちが出ています。サイドアウト時も『必ず1本で切ってやる』という気持ちが強い。それが連続得点だったり、逆に連続失点を阻止することにつながっています」。こう話した高橋監督。ミスが少ないのは、練習での意識づけの成果だろう。自信を持って戦っているチームは、間違いなく強い。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS ウルフドッグス名古屋
第1セット 25 - 19
第2セット 25 - 13
第3セット 25 - 22
第4セット
第5セット
日付 2019年11月2日(土)
試合 V1リーグ レギュラーラウンド 第3戦
場所 感謝と挑戦のTYK体育館
メンバー 伏見、福山、カジースキ、小林、西田、浅野 L本間
Photo