ジェイテクトSTINGS VS 大分三好ヴァイセアドラー

西田、カジースキを軸に攻撃を展開。郡、藤中ら途中出場の選手が活躍すると、第4セットは圧巻のサーブで押し切った

 先週の堺戦で、金丸がVリーグ通算230試合出場を達成。今日の試合前に「Vリーグ栄誉賞」の受賞を祝うセレモニーが行われた。初出場は2007年1月13日のトヨタ自動車戦。積み重ねた足跡が、ジェイテクトSTINGSの揺るぎない土台になっている。

 6連勝をかけた大分三好ヴァイセアドラーとの一戦。ジェイテクトSTINGSの出だしは悪くなかった。西田のスパイクで先制した。カジースキが高い打点から強烈なスパイクをたたき込んだ。さらにノータッチエースでブレイクポイントを奪うなど、サーブでプレッシャーをかけていく。アウトになったかに思われた饒の速攻は、チャレンジによって得点が認められた。3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 その後も西田がコートを所狭しと駆け回り得点を量産していく。相手の意識をサイドに集めたところで、セッターの小林はセンター戦を活用。福山、饒の速攻でサイドアウトを切っていった。
 リベロの本間が好レシーブでボールをつなぎ、ラリーを制した。要所で浅野が決めて、リードをキープしたまま2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 浅野を軸にサーブレシーブも安定。我慢の時間帯を乗り切った。伏見が入ってブレイクポイントを奪ったところで大分三好は2回目のタイムアウトを要求。畳み掛けたいジェイテクトSTINGSはカジースキのスパイクでセットポイント。最後は相手のスパイクがミスになり、第1セットを25−21で制した。

 第2セットも互いに1点ずつ取り合った。ジェイテクトSTINGSは西田、カジースキを軸に得点を重ねていく。6−6の場面では、カジースキのブロックでブレイク。その後も気の抜けない緊迫した展開が続いた。
 しかし、中盤は大分三好に試合の主導権を握られる。ジェイテクトSTINGSは11−11から5連続失点。西田のスパイクが止められ、11−14で1回目のタイムアウトを使った。浅野が決めて嫌な流れを断ち切り、福山の速攻などで確実に1点を重ねていく。
 15−18となったところで、セッターを小林から中根にスイッチ。西田がサービスエースを決めるが、なかなかビハインドを縮めることができない。
 チームを救ったのは郡だ。19−23の場面で浅野に代わってコートイン。ここから怒涛の反撃が始まった。サーブを打つのは饒。西田のスパイクに続いて、福山が速攻を決めた。極め付きは中根のブロック。5連続得点で一気に同点に追いついた。
 一度は相手にセットポイントを許したが、西田のスパイクで24−24。相手のミスでアドバンテージを奪うと、最後もやはりこの男。西田が豪快に決めて26点目を奪い、逆転で第2セットを制した。

 勢いを維持したいジェイテクトSTINGSだったが、第3セットは苦戦を強いられた。前半はリードを奪った。セッターの中根はセンター線を巧みに使って攻撃陣をリード。要所で福山がブロックを決めるなど、2点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 カジースキも好調をキープ。強烈なスパイクを何度も相手のコートに突き刺していく。10−10の場面ではカジースキがブロック。さらに西田のスパイク、饒のブロックで3連続得点を奪った。
 しかし、この日のジェイテクトSTINGSは波に乗り切れない。ここから5連続失点。サーブレシーブが崩されて、攻撃が単調になったところを相手に突かれた。
 14−16となったところで、浅野に代わって郡が入った。西田も攻守にわたって奮起。しかし、大分三好に先行を許した。16−21。ここから郡のバックアタック、饒のブロックなどで3連続得点を奪い、2点差まで詰め寄った。伏見を投入して前衛に高さを生み出すが、相手にセットポイントを奪われて万事休す。最後はサービスエースを決められて、このセットを21−25で落とした。

 第4セットに入って、ジェイテクトSTINGSはようやく本来のバレーを取り戻す。とりわけサーブが機能した。2−3で西田にサーブが回ってくると、2本のサービスエースを含めて4連続得点。カジースキのスパイク、饒のブロックで一気に突き放した。
 さらにカジースキのサーブがネットインして8−4。藤中のスパイク、西田のブロックで11−6とリードを広げる。圧巻は12−9の場面から。藤中がサーブで攻めるとカジースキが連続でブロックポイント。西田がスパイクで続き、福山がダイレクトスパイクをたたき込んだ。饒もブロック、速攻で活躍。22−14となったところで前衛に金丸を送り込んで高さを生み出した。
 ベンチワークも機能した。3連続失点を喫したが、タイムアウトでネガティブな空気を断ち切った。西田が決めてサイドアウト。藤中がライトから決めて23点目を奪った。福山のブロックでマッチポイント。藤中がガッツ溢れるプレーでチームを鼓舞する。最後はカジースキが締めくくり、ジェイテクトSTINGSが25−19で勝利を奪った。

 タフな試合だったが、しっかり勝ち切って勝点3を獲得した。6連勝だ。しかし、チームに慢心はない。「明日はもっとギアが上がると思うので、質の高いバレーを展開していきたい」と西田。一丸となったチームの前進が、止まることはない。

高橋慎治監督

第2セット終盤は、絶対に負けないという気持ちを全員が出したことで、点数をひっくり返すことができました。スタートから出ている選手もそうだし、途中からコートに入った選手もそう。何とかしてやろうという気持ちで、難しい試合を乗り切ることができました。第2セットは郡が相手にプレッシャーをかけてくれたし、第4セットは藤中が守備面でいい働きを見せてくれた。第2セットの途中から入った中根も同じ。出場した選手がしっかりと役割を果たしてくれました。今から明日の試合に向けてしっかりと準備をしていきます。

西田有志

落とした第3セットは、自分たちが疎かにしているプレーが多々ありました。確かにいい内容の試合ではなかったけど、その中でもいいプレーはたくさんあったと思います。あのビハインドから第2セットを取り返せたことは、自分たちにとって経験値になりました。今は自分たちの結果を求めることが先決です。その中で、もっといいプレーが出てきたらいい。明日はもっとタフな試合になるでしょう。今日、この後の時間をどう過ごすかが、明日につながってくる。しっかり勝って、翌週のホームゲームを迎えたいと思います。

藤中優斗

チームの雰囲気があまりよくなかったので、盛り上げることを意識して第4セットに入りました。無難でもいいからミスをしないように。自分が目立つというよりも、他の選手をサポートすることを心がけていました。レセプションも役割の一つでしたが、今日は相手のジャンプサーブに対して崩されるケースが多かった。これからもっと強いサーブが来ると思うので、もっと練習しなければいけません。浅野選手という目指すべき存在が目の前にいるので、外から見て少しでも学び、コートに入ったら同じようなプレーができるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

集中力を高めて、第2セット終盤の競り合いを制覇。全員が活躍していることが今のチームの強みだ

最大5点のビハインドをひっくり返した第2セット終盤の攻防は見応えがあった。高い集中力を発揮したのが西田だ。難しい場面でトスが上がってきても、全身全霊の力で打ち抜いた。冷静に状況を見極めるマインドも、国際大会で積んだ経験の賜物だろう。さらに郡、藤中といった途中から入った選手もしっかりと役割を果たしている。小林に代わって入った中根のゲームメイクも冴えていた。藤中が言う。「もともと力があるチーム。うまくいかない時でも、一人ひとりが何をすればいいかを考えている。それが、最終的に勝ち切れた要因だと思います」。コートに入った選手全員が活躍しているのが、今のジェイテクトSTINGSの強みと言っていい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 大分三好ヴァイセアドラー
第1セット 25 - 21
第2セット 26 - 24
第3セット 21 - 25
第4セット 25 - 19
第5セット
日付 2019年11月16日(土)
試合 Vリーグ レギュラーラウンド 第6戦
場所 このはなアリーナ
メンバー 福山、饒、カジースキ、小林、西田、浅野 L本間
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