ジェイテクトSTINGS VS VC長野トライデンツ

スタートから入った小林、福山が活躍。センター線が機能し、藤中も攻守にわたって躍動した

 スターティングメンバーに若干の変化があった。ミドルブロッカーは饒に代わって福山が入った。セッターは小林が11月30日の東レ戦以来となるスタメン復帰を果たしている。
 今のジェイテクトSTINGSの強みは、誰がコートに入ってもその力が落ちないことだ。この日も、ホームのVC長野トライデンツに真正面からぶつかっていった。

 先制点はジェイテクトSTINGS。西田が決めた。西田、カジースキのサーブはネットに吸い込まれたが、3−3から3連続得点を奪う。藤中がブロックで貢献した。西田も徐々に調子を取り戻し、8−6で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 その後は一進一退。粘るVC長野に対して、ジェイテクトSTINGSはカジースキ、藤中が得点を重ねていく。小林も2本目のボールを押し込んで得点をゲット。藤中がスパイクを決めると、西田のブロックで再びブレイク。藤中がライトから決めて、16−12とリードをキープした。テクニカルタイムアウトが開けると、相手が2本続けてスパイクミス。ジェイテクトSTINGSが完全に試合のイニシアチブを握った。
 19−13の場面でリリーフサーバーの袴谷を投入。サーブを打ち終わっても、そのままコートに残った。西田のサービスエースでブレイク。ここで金丸と柳澤を投入して前衛に高さを生み出す。さらにカジースキから浅野にスイッチ。守備に安定感をもたらした。
 西田が決めて23点目。相手のスパイクが2本続けてミスになり、ジェイテクトSTINGSが25−16と第1セットを圧倒した。

 第2セットは、藤中のサーブでスタート。伏見がサーブで相手のミスを誘い、3−1とリードを広げる。さらに福山を軸に粘り強いブロックが功を奏して連続得点。カジースキのサーブも冴えていた。エースも奪って4点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 その後もジェイテクトSTINGSが順調に得点を重ねていく。セッターの小林が要所でミドルを使い、相手のブロックを翻弄。伏見の速攻などで3連続得点を奪い、13−8とリードを広げる。
 中盤に入ってもジェイテクトSTINGSの集中力は衰えない。ベンチワークも冴えていた。16−10になったところでセッターの小林に代えてオポジットの袴谷を投入。相手にサーブ権が移行すると、オポジットの西田に代えてセッターの中根を投入した。中根はバランスよく配球し、確実にサイドアウトを切っていく。袴谷がライトから決めたところで西田をコートに戻し、このセットを締めくくりにかかる。
 伏見の速攻でサイドアウトを切り、カジースキのブロックでブレイクに成功。西田のサーブが白帯にかかって相手のコートに落ち、これでセットポイント。最後はカジースキが決めて、25−21で2セットを連取した。

 第3セットは伏見に代わって金丸がスタートから入った。西田が先制点を決めた。カジースキもうまく相手のコートにボールを落とした。打数こそ少なかったが、藤中も決定力の高いスパイクを決めた。カジースキのスパイクで8−6とした。
 一時は同点に追いつかれたが、カジースキのスパイクですぐに突き放した。VC長野もホームの歓声を背中に受けて、粘り強くボールをつないでくる。我慢の時間が続いた。西田のスパイクが止められた。しかし、チームに焦りはない。金丸のブロックですぐにブレイクポイントを奪い返す。藤中が決めて、16−13で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 さらに金丸の速攻をきっかけに4連続得点。西田、カジースキが立て続けに決めた。相手のスパイクがミスになって20−14。ここでVC長野が2回目のタイムアウトを要求する。
 リベロの興梠が入って守備の安定を取り戻した。相手のスパイクミスも続いた。カジースキがこの日2本目のサービスエースを決めて23点目。西田のスパイクでマッチポイントを奪った。
 最後は相手のスパイクがアウトになってゲームセット。ジェイテクトSTINGSが12勝目をつかんだ。

 会心の勝利だ。セット率でパナソニックを上回り、再び首位に躍り出た。しかし、浮かれている者はチームに一人もいない。
「パナソニックさんとは勝利数で並んでいるし、そこに遅れを取らないように戦っていかなければいけません。前回のパナソニック戦やサントリー戦、JT戦で出た課題をもっと詰めていかないと、レギュラーラウンドの1位通過は難しい。練習からみんなでしっかりと取り組んでいきたいと思います」
 福山はそう言って気を引き締めた。来週は2レグのヤマ場とも言えるホームの徳島大会だ。全員の力を集結して連勝を取りに行きたい。

高橋慎治監督

前日のメンバーから2人が代わりましたが、期待通りのプレーをしてくれました。特にセッターの小林は、真ん中を中心に強気のトス回しを見せてくれた。VC長野さんのブロックを勉強した上での組み立てで、とてもよかったと思います。また、福山の幅の広い速攻も機能していました。今のジェイテクトSTINGSは高い能力を持った選手がそろっています。そこを全部出し切ることができたら、このまま白星を積み重ねられるでしょう。私たちスタッフが、その準備や対策をしっかりしていきたいと思います。来週はホームゲームですが、意気込み過ぎず、なおかつしっかり勝って盛り上げられるように頑張りたい。ジェイテクトSTINGSのバレーを楽しんでもらえるように、しっかり準備して臨みます。

福山汰一

今年は全体的にチームのムードがいいと思っています。昨日は饒があれだけ活躍したので、自分が入るからには雰囲気を崩したくない。そこだけ気をつけながら、試合に入りました。真ん中の攻撃が今年のコンセプトでもあるので、昨シーズンよりは打数も増えていると思います。今日のように真ん中の攻撃が機能すれば、相手のブロックを拡散できて、それだけでも西田の決定率が格段に上がるでしょう。それから、ブロックとレシーブの関係についても、つなぎの部分で昨シーズン以上によくなっています。個人的には、饒や伏見さんに比べて身長差があるので、少しでもブロックでワンタッチを取り、切り返しからの攻撃につなげたい。グッドタッチをいかに増やすかを意識しながら取り組んでいきたいと思います。

小林光輝

自分のよさを出そうと思い、スタートから入りました。真ん中を使いつつ、なおかつあまり偏らずにトスを回せたと思います。ポイントでしっかり点が取れて、終始リードする展開で試合を進めることができました。同じセッターでも、(中根)聡太さんはアタッカーを生かしながら丁寧にトスを上げていくのが持ち味です。それに対して自分は、相手と駆け引きをしながらトスを回していく。1年目なので、先輩たちが求めているパフォーマンスを出せているかはわかりませんが、思い切ってプレーすればいいのかなと感じました。今まで長野県を背負って戦っていましたが、こうして県外に出ても、帰ってきたときに温かく応援してくれる人がいます。そういう人たちに感謝しながら、これからもバレーボールをしていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

フローター陣のサーブがチームを救った。もう一度、自分たちの「強み」に自信を深めたい

第1セットの序盤、西田、カジースキのサーブが続けてネットにかかった。少し嫌な予感がした。サーブでリズムが作れないときのジェイテクトSTINGSは、ずるずると引いてしまうことが多かったからだ。杞憂だった。救ったのはフローター陣だ。福山がサーブでプレッシャーをかけて3連続得点を奪った。藤中のサーブも機能した。第1セットを締めくくったのは、再び福山のサーブだった。西田、カジースキも徐々にペースを取り戻し、ストレート勝ちに貢献した。「確かに最初はその2人のサーブが入りませんでした。ですが、他の選手が効果的なサーブを打ってブレイクを奪っている。他のチームも当然、ビッグサーバーを警戒してくるでしょう。でも、それ以外の選手もいいサーブを持っています。今日のように、フローター陣のサーブで波に乗れる試合もある。そこに西田、カジースキのサーブが機能しはじめたら、一気に連続得点につながると思います」。こう話す高橋監督は、今後の課題に「サーブの精度」をあげていた。チームは12勝目をあげ、自信を深めている。それを確信に変えるためにも、自分たちの「強み」を再確認しておきたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS VC長野トライデンツ
第1セット 25 - 16
第2セット 25 - 21
第3セット 25 - 17
第4セット
第5セット
日付 2019年12月8日(日)
試合 Vリーグ レギュラーラウンド 第13戦
場所 松本市総合体育館
メンバー 藤中、伏見、福山、カジースキ、小林、西田 L本間
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