ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

フェリペが途中離脱も、代わって入った柳澤が活躍。第3セットは金丸がコートに入り、攻守にわたって粘りを見せた

 前日のパナソニックパンサーズ戦は完敗だった。ジェイテクトSTINGSらしい粘り強さも見せられず、ほとんど相手のペースでゲームが進行した。今日の第2戦、果たして本来の姿を取り戻せるのか。今後を占う意味でも、極めて重要な一戦となった。

 第1セット、フェリペと藤中の位置を入れ替え、ローテーションをずらしてゲームに入った。「サイドアウトの確率を改善させるために起用しました」と髙橋監督。思惑通り、ジェイテクトSTINGSが立ち上がりのリズムをつかむ。フェリペにボールを集めてサイドアウトを切った。袴谷のスパイク、福山のブロックなどで3連続得点。藤中も積極的に攻撃に参加した。
 連携ミスはあったものの、藤中がすぐに嫌な流れを断ち切った。フェリペの連続得点などで12−9としたところで、パナソニックが1回目のタイムアウトを要求する。その後も、フェリペを軸に攻めた。ライトから放ったフェリペのスパイクがストレートに決まった。福山がフェイントを決め、16−12で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 しかし、袴谷のスパイクが止められるなど3連続失点。ここで髙橋監督はタイムアウトを要求。フェリペにトスを集めて、一進一退の展開に持ち込む。ラリーを制するなど勝負強さも見せた。チャレンジの成功で、22−21と僅差をキープした。
 まさかの展開だった。ここから4連続失点で失セット。タイムアウトでも流れを変えらなかった。フェリペの故障離脱も響いた。代わって入った柳澤は気を吐いたが、流れを変えることができず、終盤の競り合いに課題を残した。

 第2セットも入り方はよかった。柳澤のスパイクなどで3連続得点。袴谷のサーブも効果的だった。6−4の場面では、セッターの久保山がブロックを決めてブレイク。3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 その後も我慢強く得点を重ねる。奮起したのがオポジットの袴谷だ。しなやかなフォームから繰り出されるスパイクを何度も決めた。柳澤、福山も得点を重ねた。本間、藤中を軸に、安定したサーブレシーブも見せた。緊迫した展開が続いた。
 18−18で浅野が入った。しかし、サーブレシーブを崩されて逆転を許す。袴谷の連続得点で再びリード。追いつ追われつの好ゲームを展開した。徹底して袴谷にボールを集め、勝負に出た。
 23−23。袴谷が決めて、ラリーを制した。2度のセットポイントを奪った。しかし、フィニッシュの精度を欠き、25−27でこのセットを落とした。

 第3セットのスタートから、伏見に代えて金丸をコートに送り込んだ。立ち上がりはシーソーゲーム。福山、久保山のブロックなどでサイドアウトを切っていく。金丸もブロックを決めた。さらに7−9から怒涛の5連続得点。柳澤がサイドアウトを切ると、福山のブロック、袴谷のスパイクで加点した。さらに福山が立て続けにスパイクを決めた。セッター久保山も好リードを見せた。
 しかし、相手は試合巧者のパナソニック。簡単には勝たせてもらえない。クビアクのサーブに揺さぶられて3連続失点。12−12の同点に追いつかれ、僅差のままゲームが進んでいく。
 サイドアウトの応酬が続く。1点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。袴谷が決めてブレイク。ブロックとレシーブの関係も機能し、前日よりも間違いなくチームは進化していた。
 3連続失点で逆転を許したが、焦りはなかった。袴谷が決めて同点に追いつく。要所で柳澤も決めた。20−20の場面で、久保山が会心のブロック。再びリードを奪った。細かいミスも許されない終盤。袴谷のバックアタックなどでリードをキープした。しかし、明暗を分けたのは、フィニッシュの差だった。柳澤のスパイクがミスになり23−24。最後はパナソニックの清水に決められて、接戦を落とした。

 敗れはしたが、内容は決して悪くなかった。下を向く選手もいなかった。試合後のフェリペの言葉がポジティブだ。
「今日の試合の一番いいところは、チームに勝つ意欲があったこと。そういうプレーはチームの成長につながります。特に袴谷選手はチームを背中に背負ってプレーしてくれた。ミスもあったけど、強い気持ちを保ってプレーしてくれました」
 得るものが大きい2日間だった。もしかしたら、シーズンが終わったときに、「あのパナソニック戦がターニングポイントだった」と振り返る日が来るかもしれない。そのためにも、敗戦を次への糧にしなければいけない。

髙橋慎治監督

勝負どころで点が取れたか取れなかったかが、勝敗を分けたと思います。ただ、途中、フェリペ選手にアクシデントがあった中で、代わりに入った柳澤をはじめ全員が力を出してくれました。スタートから入った久保山も、いいトス回しができていたと思います。パナソニックさんはミスがなく、毎年のように簡単には点数が取れないということを痛感しました。自分たちに我慢させてもらえなかったところが、パナソニックさんの強さだと思います。これが自分たちの現状だということを認識し、また上に向かっていけるように取り組んでいきたいと思います。

本間隆太

今週は結果よりも、チーム力の向上を一番のテーマにして臨みました。フェリペ選手が加入し、特に今週は西田選手の代わりに袴谷選手が入ってきた。その点では、昨日よりも今日のほうがうまく連携が取れていたと思います。朝のミーティングでフェリペ選手から「こうしてほしい」と指摘され、それも今日の試合で修正できました。そこが今週の収穫だと思います。特に昨日の試合と比べて、今日はスパイクがよかった。それに尽きます。ブロックとディグの関係もよく、パナソニックの清水選手を苦しめることができました。システムを守ることもチーム力だと思うので、そこがよかったところです。

福山汰一

この2日間、試合に出た選手、出ていない選手がいますが、一人ひとりが成長できたと思います。個人的には、昨日の試合は出だしからスパイクが決まらず。その代わりブロックタッチと相手のスパイクを止めることはできていました。また、全体的なデータとして、サイドアウトが悪く、スパイクの決定率も低かった。今日は、そこをいかに修正するかを課題にしていました。その点、ブロックでは昨日よりタッチは取れなかったけど、スパイクに関してはラリー中も積極的にクイックに入り、久保山さんもトスを上げてくれました。そこがよかった点だと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

終盤の点の取り方に課題。大事なのは、全員が得点を取る意識を持つこと

ストレートで敗れたが、内容は僅差だった。少なくとも、前日の試合ほど実力の違いはなかった。袴谷は57.6パーセントと、高いアタック決定率を残している。セッターの久保山は要所でミドルブロッカーを使い、バランスよく攻撃を組み立てた。サーブで崩せなかったのは残念だが、これから改善していけばいい。大事なのは、課題をはっきりさせておくことだ。今日はセット終盤に点が取れなかったことが、敗因の一つと言えるだろう。どのセットも中盤から終盤にリードを奪いながら、最後は逆転で敗れている。「それが今週の試合で出た課題です」と本間。「これまでフィニッシュを西田に任せていたチームの本質が出てしまった。(セッターとリベロを除く)他の4人全員が得点を取る意識をもっと持たないといけない」と振り返った。相手は異なるが、来週もウィングアリーナ刈谷で試合が行われる。課題を克服して、今度こそ勝利をつかみたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 22 - 25
第2セット 25 - 27
第3セット 23 - 25
第4セット
第5セット
日付 2020年11月1日(日)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第6戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館
メンバー 藤中、伏見、福山、フェリペ、袴谷、久保山 L本間
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