ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

サーブレシーブを崩されて2セットダウン。セッターの久保山が巧みにトスを散らし、最後は西田で締めくくった

 前日と同様、フルセットまでもつれ込む大激戦となった。異なるのは、2セットダウンから逆転勝ちしたこと。チームの粘り、一人ひとりの意識の高さが結果になって表れた。2日間で獲得した3ポイントは、今後につながる大きな成果となった。

 立ち上がりからエンジン全開。フェリペのスパイクや西田のブロックなどでサイドアウトを切っていく。サントリーサンバーズの小野のサーブに苦しむ場面はあったが、藤中のスパイクで粘り強く食らいついた。
 中盤はフェリペの豪腕が炸裂。ブロックも飛び出して、9−9の同点に追いつく。さらに福山のサービスエースで逆転に成功。再びサントリーにリードを許すが、西田のスパイクなどで僅差の展開に持ち込んだ。フェリペのスパイクで18−19。セッターの久保山も巧みにトスを散らし、激しい点の取り合いが続いた。
 ムセルスキーの強烈なサーブを藤中がいなし、西田が決めて23点目。リリーフサーバーの袴谷を送り込んで勝負に出る。直後には、サントリーがプレーの途中にチャレンジを要求。その結果、23−23の同点に追いつかれた。
 福山のクイックで24−23とセットポイントを奪うが、3度追いつかれ26−26。フェリペのスパイクが止められると、最後は相手のサーブがネットイン。26−28で第1セットを失った。

 第2セットは序盤で大きくリードした。饒のブロック、福山のサービスエースなどで5−0。チャレンジによって西田のブロックが認められ、追加点を奪った。
 しかし、再び小野にサーブで攻められて5連続失点。7−6と1点差に詰められる。西田、福山のスパイクなどで一進一退。14−16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。ゲームの流れが両チームの間を激しく行き交う。いぶし銀の活躍を見せたのが藤中だ。相手のブロックから巧みにワンタッチを取り、得点を加算。サービスエースも決め。19−19の同点に追いついた。
 その後は互いに1点ずつ取り合う展開。福山のブロック、西田のスパイクなどでサイドアウトを切っていく。23−25でこのセットを落としたが、最後まで見応えのある戦いを演じた。

 第3セットは、サントリーに先行を許した。1−4となったところで髙橋監督はタイムアウトを要求。これで悪い流れを断ち切る。饒のクイックでサイドアウトを切って6−8。西田、フェリペも確実に決めて、サントリーを猛追した。
 9−10の場面で西田がサービスエースを決めた。西田のバックアタックはサントリーのチャレンジでアウトと判定されたが、饒のクイック、フェリペのサービスエースで12−11と逆転に成功する。手に汗握る熱戦。気を緩めれば一気に流れを持っていかれそうな、緊張感のある展開が続いた。
 1点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから西田が本領を発揮する。相手のブロックをうまく抜いてサイドアウトを切ると、サービスエースを決めて18−17と逆転。饒のクイックでラリーを制し、リードを2点に広げた。
 あとは落ち着いて試合を進めるだけだった。西田のスパイクで22−20。フェリペがバックアタックのモーションからトスに切り替えると、これを西田が決めた。23点目。西田がうまくブロックタッチを誘いセットポイント。最後は西田が相手のブロックを上から弾き飛ばしてフィニッシュ。ジェイテクトSTINGSが25−22でこのセットを制した。

 勢いをつかんだ第4セットもタフな展開だった。セッターの久保山は西田、フェリペにトスを託し、要所で饒のクイックでサイドアウトを切っていく。守備ではリベロの本間が立ちはだかった。サーブレシーブも安定して8−7。シーソーゲームが続く。
 勝負どころは中盤だ。西田が二段トスを決めて13−13。本間の好レシーブから西田が決めてブレイクポイントを奪う。さらに西田のブロックで15点目。ここでサントリーがタイムアウトを要求する。ジェイテクトSTINGSは攻撃の手を緩めない。ムセルスキーのスパイクを福山がシャットアウト。4連続得点で16−13と試合の流れをつかんだ。
 しかし、最後まで気を緩めることができない。徐々に差を詰められると、連携ミスがあり18−18の同点。饒のクイックが切り返されると、ムセルスキーに決められ19−20と逆転を許した。
 今シーズンのジェイテクトSTINGSは、ずるずると後退しない。西田が3枚ブロックの脇を抜いてスパイクを決める。さらに相手のスパイクがアウト。サントリーにブレイクを許すが、土壇場で24−23とリードを奪った。1点を返されるが、西田が決めて再びセットポイント。最後はサントリーのチャレンジに対してチャレンジで返し、西田の得点が認められて26−24。勝負の行方を第5セットに持ち込んだ。

 第5セットの序盤はサイドアウトの応酬。小野、ムセルスキーと続くビッグサーブを1本ずつでしのいだ。4−4とすると、福山、藤中のブロックが立て続けに成功。6−4となったところでサントリーがタイムアウトを要求する。
 饒のクイックでサイドアウトを切り、西田のサービスエースでブレイク。一度はアウトと判定されたが、チャレンジによって覆った。10−7。1点差まで追い上げられたが、西田が粘り強く得点を重ねた。
 しかし、ムセルスキーにサービスエースを決められて12−12。さらに西田のスパイクがアウトになって逆転を許す。諦めなかったのが福山だ。ブロックで同点に追いつくと、相手のマッチポイントを3度しのいだ。相手のミスで17−16と逆転。追いつかれても、饒、西田が決めてすぐに突き放す。
 そして、20−19の場面で相手のスパイクがアウト。ジェイテクトSTINGSが21−19とし、熱戦に終止符を打った。

 前日の敗戦のリベンジを果たした。第3セットを除き、どのセットも得点差は2点。3セットでデュースにもつれ込んだ。死闘を制し、久保山は「昨日は勝ち切れなかったが、今日は勝ち切ることができた。大きな一勝になりました」と振り返った。
 2試合連続のフルセット。何より、勝ったことが重要だ。この勝利で上位争いに踏みとどまった。2週間のインターバルを経て、次はFC東京と対戦する。まずはしっかり体を休め、新たな戦いに向けて準備をしたい。

髙橋慎治監督

昨日に引き続き、両チームとも譲らない展開になりました。昨日は悔しい思いをしましたが、今日は勝ち切ることができ、チームの今後に大きなプラスになりました。このようなハイレベルな試合を繰り返すことで、チームは成長していきます。第1、2セットは取られましたが、内容は僅差でした。第3セットのスタートから、新しい気持ちで臨めたと思います。次の試合まで2週間空きますが、まずは試合内容を精査し、課題を洗い出さなければいけません。その上で、一つでも二つでも課題を克服していきたい。開幕から1カ月が過ぎたので、コンディションを整えながら次の試合に向けて準備をしていきたいと思います。

福山汰一

昨日の試合で、サントリーさんはセッターが大宅選手から西田選手に代わりました。それを踏まえて、トスの配球やブロックの確認をしました。特に相手が崩れたときやラリー中など、ムセルスキー選手に高いトスが上がったときはしっかり行こうと決めていました。さらに、昨日の試合後に「もうちょっとこうしていこう」とみんなで話した情報をプラスアルファして、今日の試合に臨みました。ブロックで5点を取りましたが、今日はたまたまハマっただけ。柳田選手のスパイクに弾かれることも多かったので、手の出し方などいろいろな部分に気をつけたいと思います。この1年間やってきた手の出し方や、ステップの方法を突き詰めて、1本でも多く相手のスパイクに触り、1本でも多く止められるように意識していきたいと思います。

藤中優斗

終始、サントリーさんの強いサーブに苦しめられましたが、今日は全員で勝ち切ることができてホッとしています。第1、2セットは取られたけど、自分たちのバレーが悪いわけではありませんでした。焦ることなく、もう一度、チームとして戦うことができたと思います。個人的には、自分の思ったプレーがなかなかできず、もどかしい気持ちがずっと続いていました。今日も決してよくなかったけど、少しでもチームの勝利に貢献できたならよかったと思います。チームとしてはもっとサーブの精度を上げて、サーブで攻めてブレイクを取っていくことが重要です。しっかり体を休めつつ、次の試合に向けてコンディションを整えていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

勝負の分かれ目は第5セットの終盤。接戦を重ねることでチームは強くなる

ゲームの流れが両チームの間を激しく行き交った。顕著だったのが第5セットの終盤だろう。12−11の場面。ムセルスキーの強烈なサーブに、藤中が吹っ飛ばされた。さらに西田のスパイクがアウト。この時点で頭を抱えた人も少なくないはずだ。しかし、今シーズンのジェイテクトSTINGSは最後まで諦めない。直後のプレーで福山がブロックを決め、チーム全員の気持ちを奮い立たせた。「昨日も簡単にボールを落とさないよう、粘り強く戦っていました。今日はそれ以上に、サントリーさんの高い攻撃力にしっかり食らいついていたと思います」。こう言って選手を称えた髙橋監督。内容は紙一重だが、こういう勝利を積み重ねていくことが重要だ。苦しくとも勝利を積み重ねることで、やがて大きな花を咲かせるに違いない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 26 - 28
第2セット 23 - 25
第3セット 25 - 22
第4セット 26 - 24
第5セット 21 - 19
日付 2020年11月15日(日)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第10戦
場所 サントリー箕面トレーニングセンター体育館
メンバー 藤中、福山、饒、フェリペ、西田、久保山 L本間
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