ジェイテクトSTINGS VS FC東京

第2セット序盤にフェリペが故障離脱。代わって入った柳澤が活躍し、西田もスパイクだけでチーム最多の22得点を決めた

 2週間ぶりのゲームはFC東京と対戦。髙橋監督は「まずはコンディションを整えること。そして、コンビの精度を少しでも上げられるように練習してきました。それは継続して取り組んでいく課題です」と言った。果たして、このまま白星を重ね、上位を追撃できるか。しかし、立ち上がりは苦しい展開になった。

 固さが見られ、連続失点が続いた。福山のサービスエース、フェリペの強打などで3−1とリードしたが、すぐに同点に追いつかれる。フェリペのフェイントでラリーを制してブレイクポイントを奪った。しかし、饒へのトスはわずかに合わず、スパイクはアウト。7−6からテクニカルタイムアウトを挟んで3連続失点を喫し、相手に主導権を与えてしまった。
 流れを変えたのは藤中だ。フェリペが上げたハイセットをうまく決めた。9−10の場面ではライトからキレのあるスパイクをたたき込んだ。西田も強烈なスパイクを決めて12−12。相手のスパイクミスで逆転に成功した。
 しかし、ここから4連続失点で2回目のテクニカルタイムアウト。最後はサーブレシーブがネットを越えたところをたたき込まれた。フェリペが大声でチームを鼓舞した。これでチームが目を覚ました。饒のクイックでサイドアウトを切る。フェリペが気迫のこもったスパイクを決めて16−17。リベロの本間も好レシーブでチームを後押し。饒のクイックで同点に追いついた。
 相手のスパイクがアウトになり、20−19と逆転に成功。サーブでプレッシャーをかけ、相手からミスを誘った。FC東京がタイムアウトを取ってからは、互いに1点ずつ取り合う展開。守備を固めてくるFC東京に対して、西田の強打が炸裂する。西田のスパイクでセットポイント。伏見を投入してネット際を高くした。2度追いつかれたが、3度目のセットポイント。最後は西田が決めて、27−25で粘るFC東京を振り切った。

 第2セットの序盤にアクシデントがあった。福山がサービスエースを決めて、2−1とした直後だった。フェリペが足を痛めて、交代を余儀なくされたのだ。しかし、チームに迷いはない。代わって入った柳澤も、持てる力を発揮した。西田のスパイクに続いて、久保山のブロックでブレイク。柳澤もスパイクを決めた。勝負どころで西田がスパイク、ブロックを立て続けに決め、1点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 しかし、なかなか点差を広げることができない。柳澤のスパイクが止められるなど、3連続失点で9−11。我慢の時間が続いた。饒のスパイク、柳澤のブロックで12−12と同点に追いつく。そこから2点ずつ取り合い14−16。それでも、ブロックが機能するなど、調子は取り戻しはじめていた。
 西田のバックアタックが相手の腕を大きく弾いた。福山が会心のブロックでガッツポーズ。饒のサーブがネットにあたってポロリと落ちた。3連続得点で17−16と逆転に成功した。しかし、ここからまさかの4連続失点。西田、福山のスパイクが止められ、コーナーギリギリにサービスエースを決められた。
 ここからがジェイテクトSTINGSの真骨頂だ。西田が強烈なスパイクを決めた。19−21の場面で藤中がサービスエース。チャレンジが成功した。本間が身を挺してつないだボールを西田が決めて21−21。ここでFC東京がタイムアウトを要求する。ジェイテクトSTINGSは攻撃の手を緩めない。藤中が体を張ってレシーブを二段トスにする。これを西田が決めて22−21。柳澤のブロックも決まった。
 セッターの久保山は積極的に西田に配球。西田が決めて25−23。苦しみながらも2セットを連取した。

 第3セットは、フェリペがコートに戻ってきた。序盤は西田の独壇場。1−2から2本のサービスエースを含め4連続得点。饒のブロックも飛び出した。5−1となったところでFC東京がタイムアウトを要求した。その後も点の取り合いが続き、3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 福山が相手のスパイクをシャットアウトして10−6。FC東京は早くも2回目のタイムアウトを消化。饒が広角にクイックを打ち抜き、フェリペが相手のブロックを見てうまくボールを押し込む。互いに粘り強さを発揮した好ゲームとなった。
 後半は多彩な攻撃で得点を重ねていった。フェリペも本調子を取り戻しつつあった。高い打点から広角にスパイクをたたき込んだ。本間が上げたルーズボールを饒が決めて20点目。一度はサイドアウトを切られるが、西田の強打でラリーを制した。
 リリーフサーバーの袴谷が登場。得点こそならなかったが、リズムは悪くなかった。饒のブロックで22−18。ワンポイントで伏見も入った。高い集中力を見せた。藤中がライトから決めてマッチポイント。最後はフェリペがうまくブロックタッチを取り25点目。相手の得点を21点に抑え、ジェイテクトSTINGSが8勝目を奪った。

 スコア以上に苦しい試合だった。「結果的に3−0で勝ち切れたが、波に乗れず苦しい展開になった。明日はそこを修正して、取れるセットをしっかり取り、いいリズムでバレーボールを展開したい」と久保山。簡単なゲームなど一つもない。何より、どんな形でもしっかり勝ち切ることが重要だ。

髙橋慎治監督

スタートから攻撃が決まらなかったり、FC東京さんの粘りに押されて、なかなか自分たちのリズムが作れませんでした。途中、フェリペ選手のアクシデントがありましたが、代わって入った柳澤選手をはじめチーム全員で苦しい状況を乗り切ってくれた。サーブとブロックも効果的に出すことができ、厳しい中でも勝ち切ることができました。確かにエンジンがかかるまでに時間がかかるケースもあります。それでも、エンジンがかかったときはしっかり勝ち切る能力もある。課題はありますが、詰めるところをしっかり詰めて、試合を重ねながらチームとして成長していきたいと思います。

フェリペ・フォンテレス

個人的な話になりますが、スタートがあまりよくありませんでした。相手がディフェンスで粘るチームだったこともあり、なかなかサイドアウトを切ることができなかった。ただ、そこからチームが一丸になってプレーすることができたので、そういう意味では今日のパフォーマンスに満足しています。柳澤選手もいいプレーをしてくれたし、コンビネーションも少しずつ合うようになってきた。何より、チームが一つになっていました。特に先週は試合がなく、この2週間はチームでの練習ができました。明日は今日よりもいいプレーができると思います。

西田有志

勝てたことはいいことだし、その中でいろいろな課題も見つかりました。フェリペ選手のアクシデントはありましたが、チームの焦りを制御しつつ、しっかりと試合に挑めたことはよかったと思います。開幕当初はフェリペ選手や饒選手がいない中で試合をやってきたし、その中で勝てたという自信もあります。コンビの部分で甘い部分はありますが、そこをなくしていけばいいと思うし、サーブのクオリティも上がっている。もっとディフェンスを機能させていけば、より楽なバレーボールが展開できるでしょう。今日より明日と、しっかりステップアップしていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

フェリペの鼓舞でチームに変化。課題は残るが、一つずつ勝っていきたい

第1セットを取り切ったことが、最大の勝因ではないだろうか。ポイントは中盤、2回目のテクニカルタイムアウトの際、フェリペが大きな声でチームを鼓舞。それが全てではないだろうが、大きなきっかけになったのは間違いない。試合後、フェリペにあのときの状況を聞いた。「プレーがうまくいっていなかったので、自分の気持ちをチームに伝えたいと思いました。あのままプレーしていても、十分な結果は得られなかったでしょう。チームメイトが自分の気持ちを理解してくれたことに感謝しています」。第2セットは、途中から入った柳澤が活躍した。プレッシャーがかかる中、西田も高い決定率を残した。まだまだ課題は残るが、粘り強く一つずつ勝ち星を積み重ねていきたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS FC東京
第1セット 27 - 25
第2セット 25 - 23
第3セット 25 - 21
第4セット
第5セット
日付 2020年11月28日(土)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第11戦
場所 草薙総合運動場体育館
メンバー 藤中、福山、饒、フェリペ、西田、久保山 L本間
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