ジェイテクトSTINGS VS ウルフドッグス名古屋

リベロの本間が好レシーブを連発。ブロックも機能して第2セットを取り返す。敗れはしたが、好ゲームを演出した

 ウルフドッグス名古屋との第2戦は、互いの意地と意地がぶつかり合う好ゲームとなった。ナイトゲームだった前日の疲れも感じさせず、全員が最後まで気迫をむき出しにして戦った。

 西田のスパイクで先制した。WD名古屋は早くもチャレンジを要求。いきなり揺さぶりをかけてくる。さらにフェリペのブロックで2−0。幸先のいいスタートを切った。しかし、ここから4連続失点。高梨のサーブに、サーブレシーブを崩された。フェリペの強打などで逆転に成功するが、7−6から3連続失点を喫する。
 我慢の時間が続いた。9−9から4連続失点。藤中、西田のスパイクで反撃するも、なかなか点差が縮まらない。
 ムードを変えたいジェイテクトSTINGSは14−18でフェリペに代えて浅野をコートに送り出した。後衛3ローテの出番だったが、これで流れが変わった。藤中のスパイクなどで連続得点を繰り返し奪う。西田も要所でスパイクを決めた。
 フェリペがコートに戻ると、饒のクイック、西田のサービスエースでブレイク。22−22の同点に追いついた。さらに23−23で金丸をワンポイントで投入。饒のブロックで、クレクのスパイクを仕留めた。25−27でこのセットを失いはしたが、首位のWD名古屋を相手に互角以上のバレーを展開した。

 第2セットの序盤は守備でリズムをつかんだ。本間の好レシーブでつないだボールをフェリペが決めて先制。その後は西田が確実にサイドアウトを切っていく。藤中も好レシーブを見せた。福山に続いて西田が決めて8−6。ハイパフォーマンスを披露した。
 フェリペ、饒も好調をキープ。クレクの強烈なサーブも、正確に返球した。連続失点を喫したものの、WD名古屋の尻尾はしっかりと捕まえていた。
 ビハインドは最大で4点まで広がった。フェリペのサーブレシーブがネット際に上がり、それを山田にたたき込まれた。それでも、フェリペのスパイク、西田のサービスエースでブレイク。浅野、金丸を投入すると、藤中のブロックで1点差に迫った。二枚替えで外に出ていた小林は、コートに戻ってくると立て続けに福山のクイックを駆使。福山のブロックなどで3連続得点を奪い、24−23とした。
 ジュースに持ち込まれたが、26−25で3度目のセットポイント。最後は西田のバックアタックが決まり、セットカウントを1−1の振り出しに戻した。

 追いついたジェイテクトSTINGSに勢いがあった。第3セットは、フェリペの連続得点で2点を先行した。追いつかれても、西田のバックアタックなどですぐに突き放した。藤中のスパイクはアウトになったかに思われたが、チャレンジによってインと判定された。さらに5−5から福山のブロックなどで4連続得点。相手の攻撃を粘り強くしのいで、最後は西田がフェイントを落とした。見応えのあるラリーだった。
 9−5。その後も西田にトスを集めて得点を重ねていく。サービスエースを決められても、ダメージを最小限に食い止めた。要所で饒がクイックを決めて、相手のブロックに揺さぶりをかける。一時は1点差に詰められたが、西田のスパイクで16−14。2点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 勝てる試合だった。流れが変わったのはその後だ。アンラッキーな判定で、スコアが相手の方に覆った。西田のブロックで同点に追いついたが、フェリペのスパイクが止められて再び引き離される。17−19となったところで高橋監督はタイムアウトを要求。フェリペも調子を取り戻したかに思われた。
 しかし、細かいミスが響いて19−20から4連続失点。西田が1点を返したが、点差を縮められず20−25でこのセットを落とした。

 一度失った流れを取り戻すのは、簡単ではなかった。第4セットの立ち上がりに5連続失点。セッターを小林から久保山に代え、反撃の糸口を見出した。フェリペのスパイクで粘り強くサイドアウトを切っていく。西田も気迫を見せた。
 5−12と引き離されても、試合を諦める者は一人もいない。藤中が決めて嫌な流れを断ち切った。西田が立て続けに決めて8−12。藤中、福山が続いて5連続得点。2点差まで迫った。
 チャンスはまだ残されていた。立ち上がりに苦戦したサーブレシーブも、しっかりと修正していた。選手の目から光は消えていなかった。
 4点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから連続失点が続いた。相手にサーブでプレッシャーをかけられる場面はあったが、饒のブロックなどで我慢強く得点を重ねた。しかし、15−20から4連続失点。反撃及ばず16−25で敗れた。

 悔しい敗戦だ。チームの状態は決して悪くなかった。相手に流れてしまったリズムを最後まで取り戻すことができなかった。高橋監督が言う。
「失点のあとにうまく気持ちを切り替えることができませんでした。チームは我慢していたので、連続失点をいかに最小限で抑えられるかが重要です」
 年内最後のV.LEAGUEを終えた。次なる戦いは、11日からはじまる天皇杯だ。チーム一丸となり、優勝に向かって邁進したい。

髙橋慎治監督

年内最後のリーグ戦ということで、勝って来年につなげたいと思っていました。悔しい敗戦になりました。昨日に比べて、ブロックフォローに入れていないなど、細かいプレーの精度の差が表れたように思います。WD名古屋さんの速い展開にも翻弄されました。質の高いサーブを打たれましたが、サーブレシーブに関しては試合中に話をして修正できたと思います。最後は点差が開きましたが、いいプレーも出ていたし、次につながる内容でした。プレーの精度を上げて、来週からの天皇杯に向けてしっかり準備していきます。

本間隆太

データに出ないフリーボールの質や、クオリティを上げられるところで上げられなかったことが敗因になってしまいました。序盤のサーブレシーブは、確かに自分たちの足が動いていなかったこともあります。それ以上に今日は、WD名古屋さんの方に高梨選手のサーブでプレッシャーをかけようという意図があったように思います。いいサーブもあったし、エースにしてはいけないボールもあった。後半は修正できましたが、チームに余裕がない時こそ、余裕を持って1本目のボールを上げることが重要だと感じました。

藤中優斗

もっとハードワークして、チームに貢献することが必要だと感じました。それができなかったことが僕自身の課題になりました。サーブレシーブを中心にやらせていただいている僕からすれば、序盤は簡単に点を与えてしまった部分があります。相手のコートに直接返してしまうなど、苦しい場面もありました。そこはもっと返さないといけないし、サーブレシーブをやっている3人でもっとコミュニケーションを取り、追求していけば必ず改善できる。もっと積極的に取りにいきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

序盤に苦しんだサーブレシーブを修正。好ゲームを演出した

バレーボールは流れのスポーツだ。一つのプレーで大きく流れが変わる。敗れはしたが、試合中にサーブレシーブを修正できたことは大きな収穫だった。最多45本を受けたフェリペのサーブレシーブ成功率は61.1%。本間は77.8%の高い数字を残し、チーム合計で63.5%にまとめている。フェリペが言う。「昨日からサーブで狙われていたので、カバーしてくれるように本間選手と話をしていました。相手からすれば、私をサーブのターゲットにして、疲れさせることが狙いだったと思います。でも、今日は本間選手や藤中選手が助けてくれました」。序盤にあれだけ苦しんだサーブレシーブも、試合が終わる頃にはしっかりと対応していた。間違いなく好ゲームを演出した要因の一つだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS ウルフドッグス名古屋
第1セット 25 - 27
第2セット 27 - 25
第3セット 20 - 25
第4セット 16 - 25
第5セット
日付 2020年12月5日(土)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第14戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館
メンバー 藤中、福山、饒、フェリペ、小林、西田 L本間
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