ジェイテクトSTINGS VS ウルフドッグス名古屋

西田がサーブで攻めて第2セットを取り返すが、続く第3セットは失速。最後まで流れを変えられなかった

 チームの集中力は高かった。強い気持ちでゲームに入った。先週の悔しい思いは繰り返さない。一人ひとりからそんな思いが溢れていた。

 しかし、立ち上がりにいきなり連携ミスが出る。西田のサーブで相手を崩した。直接返ってきたボールをお見合い。ミスで1点を失った。一気に流れを失ってもおかしくない展開だった。チームを救ったのが饒だ。クイック、ブロックでサイドアウトを切ると、西田がスパイクでブレイクポイントを奪い6−6の同点に追いついた。
 明暗を分けたのはサーブだ。ウルフドッグス名古屋のサーブに崩されて、思うように攻撃につなげられない。「試合を通して、サーブレシーブやスパイクで相手を上回ることができなかった」と藤中。福山のクイック、フェリペのスパイクでサイドアウトを切るが、そのあとが続かない。西田も徹底的にマークされた。フェリペが止められて13−18となったところで、髙橋監督は2回目のタイムアウトを要求した。
 西田がサービスエースで気を吐くが、相手にとっては大きな脅威にならなかった。サービスエースを決められるなど、3連続失点で16−23。饒がクイックを決めるが反撃もここまで。伏見、浅野の投入も流れを変えられず、17−25で第1セットを失った。

 愛知ダービーだ。このまま終わるわけにはいかない。第2セットはジェイテクトSTINGSが反撃に出る。
 序盤は互いにサーブミスが続いた。3連続失点を喫したものの、西田のスパイク、福山のブロックなどで3連続得点。その後も西田にトスを集めてサイドアウトを切っていく。サイドアウトの応酬が続くが、WD名古屋のクレクにノータッチエースを決められて、11−13と2点のリードを許した。
 その直後、藤中のスパイクをきっかけに4連続得点で逆転に成功。西田が気迫のこもったプレーで、チームを鼓舞した。我慢の時間を経て、ようやく流れがジェイテクトSTINGSに傾き出す。一時は同点に追いつかれるが、藤中のスパイクで悪い流れを断ち切った。ここから西田が爆発。19−18でサーブが回ってくると、2本連続でエースを奪う。
 あとは落ち着いてサイドアウトを切っていくだけだった。金丸、伏見を投入。ネット際に高さを生み出した。藤中のブロックでセットポイント。最後は相手のスパイクがアウトになり、25−21でこのセットを取り返した。

 第3セットは立ち上がりから失速。フェリペ、西田のスパイクが止められて、0−4と大きく出遅れた。フェリペ、西田にトスを集めるが、4−11となったところで髙橋監督は早くも2回のタイムアウトを消化。さらに1点を追加されたところでフェリペに代えて郡をコートに送り出した。
 10点の大量ビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、郡がコートを走り回ってチームを盛り上げた。袴谷、小林を立て続けに送り出し、暗いムードを打ち破る。郡のバックアタックにスタンドが沸いた。しかし、序盤に開いた点差はあまりに大きく、わずか15得点でこのセットを落とした。

 第4セットも苦しい展開が続いた。前半は僅差だったが、ペースを握っていたのはWD名古屋の方だ。西田、フェリペのスパイクなどで得点を重ねるが、相手に大きなダメージを与えるには至らない。7−7から3連続失点。クレク、高梨とバランスよく配球するWD名古屋に、ジェイテクトSTINGSの守備が翻弄された。
 光明はあった。セットを重ねるごとに饒のギアが上がってきたのだ。サイドアウトを切り、拮抗した展開に持ち込んだ。しかし、相手がショートサーブをミドルブロッカーの福山に集め出す。クイックの選択肢を奪われ、ビハインドが4点に広がった。
 しかし、下を向く選手はいない。フェリペがバックアタックを決めた。リベロの本間が好レシーブを見せた。一進一退の展開に持ち込んだ。
 金丸、伏見を投入した。しかし、流れを変えられず18−22。藤中が1点を返すが万事休す。19−25で敗れた。

 最後までWD名古屋の攻撃を攻略できなかった。
「負けはしましたが、選手たちはいいプレーを出してくれました。明日に向けて気持ちを切り替え、攻め続けるバレーを展開していきたいと思います」
 試合後にこう振り返った髙橋監督。3連敗を喫したが、レギュラーラウンドはまだ半分も終わっていない。まずは1勝を。そして、一つずつ白星を重ねていくだけだ。

髙橋慎治監督

WD名古屋の両エース、クレク選手と高梨選手の攻撃を最後まで抑えられず、そのまま負けてしまいました。対応ができなかったのは私の反省。負けた中でも選手たちはいいプレーをしてくれました。第3セットは、自分たちの攻撃がうまく展開できないようなシステムを組まれ、悪い影響がすべてのプレーに出てしまいました。ただし、コート内でのコミュニケーションをしっかり取れば、またいいリズムが生まれると思う。明日に向けて気持ちを切り替え、攻め続けるバレーを展開していきたいと思います。

西田有志

タフな試合になることはわかっていましたが、準備してきたことを何も示すことができませんでした。WD名古屋が何枚も上手だったと思います。相手の作戦勝ちというところもあるし、それに対応できなかったことがあの点差につながった。相手のディフェンスのレベルが高く、安易にサーブを打ってAパスを返されるなら、ずっと勝負をかけなければいけません。自分から攻めにいかなければならず、あのような結果(エース4本)につながりました。今は技術どうこうよりも、気持ちが何よりも大切だと思います。

郡浩也

第3セットの途中から入りましたが、負けている状況だったので、少しでも雰囲気をよくできるように、スパイクを決めたら全力で喜ぶことだけを考えていました。相手がどう、マッチアップがどうというのは意識せず、試合に出られる喜びを噛み締めながらプレーしました。後衛のときもセッターの(小林)光輝に「絶対に俺にトスを上げてこい」と話していて、ああいう結果(バックアタックでの得点)につながってよかったです。明日は絶対に勝てるように、チーム一丸となって臨みたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

敗戦の中から光明を見出して、停滞から脱出したい

まるで先週のパナソニック戦の再現を見ているようだった。狙いを定めた相手のサーブに足を止められた。細かいミスが出て、すべてのセットで1回目のテクニカルタイムアウトを失っている。ブロックでコースを限定され、西田のアタック決定率は46.2%と沈黙した。フェイント、プッシュもことごとくコースに入られた。「先週もスタートダッシュができず、相手に先行された。そこはチームとしての反省点です」と髙橋監督は言う。一方、WD名古屋のクレクの決定率は67.9%、高梨が60.0%。両チームの攻撃力の差が大きく現れた。同じ負け方を続けてはいけない。停滞から抜け出すためにも、敗戦の中から光明を見出すことが重要だ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS ウルフドッグス名古屋
第1セット 17 - 25
第2セット 25 - 21
第3セット 15 - 25
第4セット 19 - 25
第5セット
日付 2021年1月22日(金)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第17戦
場所 豊田合成記念体育館
メンバー 藤中、福山、饒、フェリペ、西田、久保山 L本間
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