ジェイテクトSTINGS VS 大分三好ヴァイセアドラー

途中出場の郡がチームの雰囲気を明るくすると、代わって入った選手が次々と活躍。全員がコートに立ち、会心の勝利をつかむ

 前日の試合にストレートで勝ち、昨年から続くリーグ戦の連敗を「5」で止めた。大事なのはこれからだ。ここで流れを失っては意味がない。そのことは全員が認識していた。序盤からフルパワーで挑んだ。

 フェリペのブロックでゲームが幕を開けた。幸先のいいスタートだ。フェリペのスパイクが相手からワンタッチを取り、チャレンジによってスコアが覆った。サービスエースを奪われたが、藤中の好レシーブですぐに立て直す。饒が高い打点からクイックをたたき込んでサイドアウトを切った。4−5から怒涛の4連続得点。藤中のスパイクをきっかけに、西田のバックアタック、藤中のブロックなどで3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 サービスエースを決められて一時は同点に追いつかれるが、中盤は福山、饒のセンター線が活躍。セッターの久保山も巧みにトスを散らし、確実に得点を積み重ねていく。要所で西田、フェリペがスパイクをたたき込み、リベロの本間を軸にサーブレシーブの修正を図った。なかなか点差は開かないが、ゲームの主導権はジェイテクトSTINGSが握っていた。
 後半はコンビネーションが機能。フェリペが立て続けにバックアタックを決め、相手のトスが乱れたところで西田がブロックでシャットアウト。3連続得点で21−14と大きく突き放した。
 ベンチも動いた。藤中に代えて郡を投入。その郡がサービスエースを決めてチームのムードを盛り上げる。福山のフェイントでセットポイント。大分三好ヴァイセアドラーに1点を返されるが、ここで興梠がコートに入る。最後は饒のブロックが決まり、相手の得点を17点に押さえたジェイテクトSTINGSが第1セットを先取した。

 第2セットは、郡がそのままフェリペの対角に入った。フェリペがハイセットを決めて先制。西田が球足の長いスパイクを決めてサイドアウトを切る。さらにフェリペの連続サービスエースなどで3連続得点。5−2とリードを広げた。郡がレフトからクロスに決めて、ド派手なガッツポーズを見せる。7−5から郡のサービスエース、福山のブロックなどで3連続得点。10−5となったところで大分三好が1回目のタイムアウトを要求した。
 郡が高い決定率を残した。10本のスパイクを放ち9得点。そのうち4得点をバックアタックで奪っている。3本のサービスエースを決めるなど、試合を通して大活躍だった。
 11−6で饒に代わって伏見がコートに入った。西田のサービスエースなどでリズムをつかんだ。郡の勢いが止まらない。ダイナミックなフォームからバックアタックを決めて16−11。17−12になったところでフェリペから浅野にスイッチ。守備のリズムをつかむ。
 郡のノータッチエースで21点目。バックアタックを決めて22−15とした。一時は4連続失点で3点差に詰められたが、伏見のクイックで傾きかけたムードを立て直した。24−20とセットポイント。伏見が決めて25点目を奪い、ジェイテクトSTINGSが25−21で2セットを連取した。

 完全に試合の主導権を握った。第3セットは、伏見がそのままコートに立った。序盤で5点を先取。ブロックが機能した。フェリペ、福山、西田が4本連続でブロックポイント。そこから1点ずつを取り合う展開となり、5点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 中盤もサイド陣が躍動する。郡が10点目を奪うと、そこから連続で4点を加点。郡がサーブで攻め、フェリペ、西田が決める。郡もバックアタックをたたき込む。ブロックの指先を狙って、ボールを大きく弾き飛ばした。
 完全にジェイテクトSTINGSのムードだった。西田のサービスエースで17点目。オポジットの袴谷、セッターの小林を続けて投入し、変則的な二枚替えで高い攻撃力を維持した。さらにフェリペに代えて守備力のある藤中をコートに戻す。
 あとは落ち着いて試合を進めていくだけだった。福山、袴谷、郡が決めてサイドアウトを切った。23−15の場面で金丸がコートイン。これで、登録メンバーの全員がコートに立った。袴谷が決めてマッチポイント。1点を返されたが、最後は金丸のブロックでフィニッシュ。25−17でこのセットを奪ったジェイテクトSTINGSがストレート勝ちを決めた。

「先発のメンバーだけじゃなくて、変わって入った選手も機能した。それが勝利につながったと思う。チームもいい雰囲気でできているので、これを来週も継続したい」
 勝利者インタビューでこう話した郡。2連勝で、チームは悪いムードを払拭した。しかし、勝ち続けなければいけない状況に変わりはない。奈良で行われる来週のホームゲームも、チーム一丸となって戦い抜く。

髙橋慎治監督

スタートから出ているメンバーはもちろん、途中から出た選手がしっかりと仕事をしてくれました。全員で勝ち取った貴重な勝利だと思います。私の問題ではあるのですが、これまでメンバーチェンジが遅くなることがあったので、今日は状況を見て積極的に起用していこうと思っていました。試合に出た選手が活躍してくれることは確信に変わっています。自分がしっかり選手を起用できるように、これからも全員の力で勝ちを取りにいきたい。チームは負けられない状況ですが、来週はホームの力を借りてチームを勢いづかせたいと思っています。後半戦のスタートダッシュを切るためのホームゲームにします。

福山汰一

今週は「もっと質の高い練習をしてから試合に挑もう」という話を全員でしました。みんながこの試合に気持ちを合わせてできたと思います。今日はいい形で試合ができましたが、自分たちは勝つしかないので、もっとクオリティを上げないといけないし、数値では見えない二段トスの精度やコンビネーションの1本1本が大事になってきます。なおかつトータルディフェンスが機能すれば、またいい結果が残せると思う。来週はホームゲームですが、最低でも今の雰囲気をキープしたい。これ以上落ちてもいいことはないし、今日のようにみんなが向かっていく姿勢を大事にしなければいけません。今まで以上のパフォーマンスが出せるように準備して臨みます。

フェリペ・フォンテレス

天皇杯の決勝から少しずつパフォーマンスを上げられています。年明けから4連敗しましたが、試合の内容自体は悪くありません。セッターとのコンビネーションもよくなっているし、今は少し速いトスを試しています。そういう意味でも嬉しいし、今のレベルに満足しています。今のチームの課題はサイドアウトでしょう。パナソニック戦、WD名古屋戦もそうでしたが、ABパスが返っているのにサイドアウトが取れていません。サーブが強いチームに対しては、すぐにサイドアウトを切ることが重要になります。ホームゲームはファンの皆さんのエネルギーがとても強く、自分たちも気持ちが入ります。しっかりと自分たちのプレーをして、ファンの皆さんが喜んでくれる試合をしたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

登録メンバー全員が出場。一人ひとりが役割を果たせるチームは強い

負けられない一戦で、登録メンバー全員がコートに立った。ストレートという結果以上に、とても大きな勝利になったと言える。特に郡の活躍がチームを奮い立たせた。「僕は代わって入ることが多いので、チームの雰囲気を上げられるように準備したい」と言う郡の言葉は本音だろう。「郡の特徴である攻撃力を発揮してくれたし、守備もしっかりと踏ん張ってミスを出さずにやってくれた。いいパフォーマンスでした」と髙橋監督の評価も高い。リーグ戦が後半になるにしたがって、バックアップメンバーの活躍は間違いなく必要だ。選手一人ひとりが自分の役割を果たせるチームは強い。いよいよ反撃の2月がはじまる。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 大分三好ヴァイセアドラー
第1セット 25 - 17
第2セット 25 - 21
第3セット 25 - 17
第4セット
第5セット
日付 2021年1月31日(日)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第20戦
場所 サイクルショップコダマ大洲アリーナ
メンバー 藤中、福山、饒、フェリペ、西田、久保山 L本間
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