ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

サーブとブロックが機能して、セット中盤にブレイクポイントを奪取。途中から入った郡も試合の流れを変えた

 堺ブレイザーズとの第2戦は、西田のスパイクで先制した。前日の勝利の勢いを持ち込みたかった。しかし、立ち上がりはやや慎重な展開に。スコアが両チームの間を激しく行き来した。
 セッターの久保山は積極的に西田にトスを集めた。ブロックに止められても、微調整を加えながらライトから攻撃を仕掛ける。西田も徐々に感覚を取り戻した。要所で藤中が加点。2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、西田がサーブで相手の守備を崩すと、フェリペが決めて9−9の同点に追いついた。
 その後も、饒、福山のクイックを絡めながら攻撃を展開。しかし、中盤に失点を重ね、15−19と逆転を許した。金丸を投入すると饒のダイレクトスパイクやフェリペのサービスエースで3連続得点。1点差に詰め寄った。
 しかし、点差を縮めることができない。途中から入った郡がムードを変えるが、3点のビハインドで第1セットを失った。

 ここからが勝負だ――、ベンチから西田の声が響く。第2セット、その西田が1本目のサーブでエースを奪った。フェリペがサーブで攻め、饒のブロックでブレイク。さらに饒がBクイックで得点を重ねる。藤中も相手コートの空いたスペースをうまく突き、7点目を奪った。さらに西田のスパイクなどで得点を上乗せし、9−5とリードを広げた。
 ジェイテクトSTINGSが勢いをつかんだ。西田がうまくブロックアウトを取って11−6。ここで堺が1回目のタイムアウトを取る。チャレンジでスコアが入れ替わり、一時は1点差に詰め寄られた。しかし、饒のクイック、フェリペのサービスエースで15−12。3点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 圧巻はここからだった。藤中のスパイク、西田のブロックなどで4連続得点。久保山のサーブが相手を崩した。リベロの本間も好レシーブを見せた。間隙を縫って、西田が強烈なスパイクをたたき込んだ。1点を返されたが、相手のミスもあって22−15。このセットの趨勢が決した。
 フェリペが決めてセットポイントを奪うと、最後は饒が決めて25点目。相手の得点を18点に抑え、ジェイテクトSTINGSがこのセットを取り返した。

 第3セットも先に走った。セッターの久保山は饒のクイックを選択。確実にサイドアウトを切ると、5−6から3連続得点。フェリペのバックアタック、西田のブロックなどで得点を重ねた。しかし、一転して流れが堺の方へ傾き出す。堺の多彩な攻撃に翻弄され、9−11とリードを許した。
 救ったのは西田だ。4本のサービスエースを含め、怒涛の8連続得点。その間、堺は2度のタイムアウトを消化した。それでも西田の集中力が上回っていた。コーナーいっぱいを狙って相手の手を弾く。返ってきたボールはフェリペが確実に決めた。
 17−11。饒が18点目を奪うと、郡がコートに入った。その郡がブロックを決めてブレイク。フェリペがサーブで攻め、20−12と主導権を握った。
 ここからは互いに1点ずつ取り合う展開。ジェイテクトSTINGSは郡のスパイク、福山のクイックでサイドアウトを切っていく。西田がレフトから決めた。郡がバックアタックをたたき込んでセットポイント。最後は相手のサーブがミスになり、25−17で制した。

 第4セットは郡がスタートから入った。西田のブロックはイン。チャレンジによって判定が覆った。郡のサービスエースもあった。本間のトスを西田が決める。饒が高さのあるブロックで相手のスパイクを止めた。その後は郡が大車輪の活躍。福山のブロックが決まり、1点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 一進一退の攻防が続く。郡が積極的にバックアタックに入った。フェリペもハイパフォーマンスをキープ。饒が高さのあるクイックを鋭角に突き刺した。サービスエースなどで3連続失点を喫したが、タイムアウトで嫌な流れを断ち切った。再び西田が躍動した。乱れたトスを打ち切った。2回目のテクニカルタイムアウトは1点のビハインドで失ったが、そこから3連続得点。福山が相手のスパイクをシャットアウトした。
 フェリペのスパイクで20−19。西田がサーブで攻めると饒が決めてブレイク。久保山のブロックも飛び出し、ジェイテクトSTINGSが一気に攻め込む。フェリペが角度のあるスパイクを決めてマッチポイント。最後はフェリペが決めて25−20とし、セットカウント3−1で勝利をつかんだ。

 西田のサーブが目立つが、全員が役割を果たした結果と言えるだろう。フェリペ、藤中は守備でも安定感を発揮。饒は81.2パーセントの決定率をたたき出し、福山もブロックで活躍した。久保山も巧みなトスワークを見せた。
「堺さんの勢いに押される場面もありましたが、全員がその勢いに立ち向かってくれました。チーム全員でつかんだ勝利です。今出ている課題や改善点を克服し、再来週の試合に臨みたいと思います」
 試合後にこう振り返った髙橋監督。チームは今、上昇気運に乗っている。このまま白星を重ね、リーグ戦を戦い抜きたい。

髙橋慎治監督

先週くらいから郡選手のパフォーマンスが上がっていて、試合に出る機会も増えてきました。今日も彼の高さや攻撃力を生かしたいと思い投入しました。藤中選手は守備力に長けた選手で、リベロと並んで守備の要です。今後も試合の状況を見ながら、今日のようにうまく使い分けていけたらと思います。第2、3、4セットはサーブが機能して、そこからブロックで得点を奪うなど、自分たちの流れにつながっていったと思います。ブロックからの切り返しも機能して、得点を重ねることができました。次の試合まで2週間空きますが、トスやレシーブなど数字に現れないプレーの精度を上げられるように取り組んでいきたいと思います。

本間隆太

昨日、今日とタフな試合が続き、個人的には今シーズンで一番疲れたというのが正直な感想です。途中から入ってきた郡選手をはじめ、チーム全員でエネルギーを出しながら戦い抜くことができました。今週の試合は、サイドブロッカーの基準がよかったと思います。相手のオポジットに対してライン(ストレート側)を閉めていたけど、それを徹底してできたことがよかった。相手はクロスに打ってネットにかける場面もあり、いいプレッシャーがかけられたんじゃないかと思います。僕自身もそうですが、ここからの1週間は個人のスキルを見直す時間にあてたい。少し休むことも大事。やり過ぎず、やらなさ過ぎずという1週間にし、またチームとしてスタートを切りたいと思います。

郡浩也

最近は出場機会が増えており、僕もしっかり準備ができているので、こういう結果につながったと思います。チームに求められているのは得点を取ること。これは監督、スタッフからも言われています。あとは雰囲気を上げるのが一番の役割。これからの課題としては、サーブレシーブの連携ミスや僕のスキルのミス、そういうところを修正していきたいと思います。逆にバックアタックは自分の一番得意な攻撃でもあるので、積極的に入っていきたい。コートに入るときは、自分の役割をまっとうすることだけを意識しています。今日は久しぶりのホームゲームでしたが、すごく楽しかった。まるで声援が聞こえてくるようで、とてもプレーしやすかったです。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

サーブ&ブロックで持ち味を発揮。強いジェイテクトSTINGSが帰ってきた

取った第2、3、4セットは、中盤以降にブレイクポイントを奪った。圧巻だったのは第3セットだろう。西田の4本のサービスエースを含め8連続得点。このセットの勝利を決定づけた。第4セットの中盤は、福山がブロックで相手にプレッシャーをかけ続けた。久保山、郡のサーブも効果的だった。全体を通して、サーブ&ブロックが機能した。本間が言う。「Aパスを返されると、相手のセッターもうまいので、簡単にサイドアウトを切られてしまう。それが第1セットの展開。一方で、第2、3、4セットは自分たちのサーブが打てました。ブレイクを取るにはサーブが重要で、そこで崩したところからディフェンスをする。相手のフェイントも第2セット以降は比較的拾えていました。再来週以降もサーブが鍵を握ると思います」。サーブで攻めて、ブロックで仕留める。いよいよ強いジェイテクトSTINGSが帰ってきた。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 22 - 25
第2セット 25 - 18
第3セット 25 - 17
第4セット 25 - 20
第5セット
日付 2021年2月7日(日)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第22戦
場所 ジェイテクトアリーナ奈良
メンバー 藤中、福山、饒、フェリペ、西田、久保山 L本間
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