ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ広島

久保山がサーブで攻めて第1セットを先取。第2セットも、西田のサービスエースで流れをつかんだ。最後までサーブで攻め、粘るJT広島を突き放した

 強敵のJTサンダーズ広島に2連勝した。前日の反省点を修正した上での見事な勝利だ。特にゲームの立ち上がり、全員の意識はきわめて高かった。

 第1セットはフェリペのスパイク、西田のブロックで2点を先制。その後も、饒のブロック、フェリペのバックアタックなどで確実にサイドアウトを切っていく。本間を軸にサーブレシーブも安定していた。相手のミスが多かったのも、ブロックでしっかりとプレッシャーをかけ続けたことによる成果だろう。
 1回目のテクニカルタイムアウトを8−6で奪うと、フェリペのスパイクなどで順調に得点を重ねる。圧巻は13−11からだ。怒涛の8連続得点。久保山のフローターサーブが相手を崩し、西田、福山がブロックポイントを重ねた。相手は2度のタイムアウトを消化するが、ジェイテクトSTINGSの勢いは衰えない。藤中が決め、久保山のサービスエースで追加点。21−11と大きくリードを広げた。
 あとは落ち着いて試合を進めていくだけだった。袴谷、宮浦がリリーフサーバーとして続けてコートに入った。ブレイクはできなかったが、相手のミスでセットポイント。最後は饒のクイックが成功。相手にわずか14点しか与えず、会心の立ち上がりを見せた。

 第2セットは、西田がサーブで引っ張った。2−3から3連続でサービスエース。1点目はアウトと判定されたものの、チャレンジによってスコアが覆った。さらに西田、フェリペのバックアタックで着実に得点を重ねる。一時は5連続失点でビハインドが3点に広がったが、相手のスパイクミスが続いて4連続得点。すぐに逆転に成功した。
 その後は一度もリードを許すことなく、第2セットを走り切った。フェリペ、西田に加え、要所で饒がクイックをたたき込んだ。2回目のテクニカルタイムアウトが明けると、フェリペのサービスエースでブレイク。17−14と試合を優勢に進めた。
 18−16の場面では、小林、宮浦が二枚替えで同時に入った。すぐに1点を返されたが、そこからシーソーゲームに持ち込んだ。フェリペがストレートに決めてブレイク。終盤は西田の独壇場となった。西田が22点目を奪うと、強烈なスパイクでセットポイント。ここで郡を投入した。最後もやはり西田だった。ノーマークで強烈なスパイクを放って25−21。2セットを連取し、勝利に王手をかけた。

 しかし、第3セットは、ホームのJT広島が気迫を剥き出しにして襲いかかってくる。セッターの久保山は、西田にトスを集めて攻撃を組み立てる。要所でフェリペがスピードのあるバックアタックをたたき込んだ。西田が1枚で相手のスパイクをブロック。しかし、サービスエースを決められるなど2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 藤中がキレのあるスパイクをたたき込み、フェリペの強打などでサイドアウトを切った。饒も高い打点からスパイクを打ち込んだ。9−12から3連続得点。フェリペがサーブで攻めると、西田のバックアタックで加点。フェリペのサービスエースで同点に追いついた。
 しかし、JT広島のエドガーにサーブで攻められて失点を重ねる。饒が乱れたトスをうまく押し込んで得点。悪い流れを断ち切ったが、ここで開いた点差が最後まで響いた。終盤は郡を投入したが、勢いを取り戻せず21−25でこのセットを失った。

 第4セットは、ジェイテクトSTINGSが本来のバレーボールを取り戻した。フェリペのブロックで先制。西田のスパイクは止められたが、福山のスパイク、饒のブロックなどで3連続得点を奪う。さらに西田がサーブで攻めて、4−3から4連続得点。ギアをトップに上げてきた西田の活躍で、大きくリードを広げた。
 フェリペもサーブで攻めた。饒のクイックも鮮やかに決まった。3連続得点で11−4。JT広島はここで早くも2回目のタイムアウトを要求している。
 中盤は拮抗した展開。相手のミスもあって、粘り強く得点を重ねていく。西田がネット際で押し込んだ。西田の強打で18点目を奪うと、ここで久保山から宮浦にスイッチ。さらに西田に代わって小林が入る。サーブレシーブを崩されて3連続失点を喫したが、タイムアウトで流れを取り戻した。
 救ったのはフェリペのブロックだ。宮浦が決めて先に20点に乗せた。3点差に詰め寄られるが、福山が決めて21点目。コートに戻ってきた西田が決めて、ブレイクポイントを奪った。本間の二段トスも鮮やかだった。
 西田がフェイントを決めて23点目。最後は相手のミスが続き、25−19でこのセットを制したジェイテクトSTINGSがセットカウント3−1で勝利をつかんだ。

 これで6連勝となった。VOMに選ばれた西田は勝利者インタビューで「第2セットまではよかったけど、第3セット以降はJT広島さんもいいバレーをしてきた。少し引けを取ってしまったが、最後はしっかり勝ち切れてよかった」と話した。
 ここからも負けられない試合は続く。来週は刈谷で行われるホームゲームだ。目先のことは考えすぎず、一歩一歩、前に進んでいきたい。

髙橋慎治監督

第1セットは相手のミスに助けられたところもありますが、第2セット以降は自分たちからしっかり攻めることができました。我慢の時間を全員で耐え、再び攻撃に転じて点差を広げることができました。常に攻める気持ちで戦わなければいけないと強く感じた試合になりました。負けられない試合は、リーグ戦の最後まで続きます。今は全員が気持ちを一つにして戦えている。厳しい状況ですが、勝ち続けることでチームは成長できると思っているので、しっかり乗り越えたい。来週は刈谷でのホームゲームです。声は出せませんが、ファンの皆さんと一緒に騒いで盛り上がって、勝利をつかみたいと思います。

久保山尚

昨日の試合は出だしでつまずきましたが、今日はそこまで悪い内容ではなかったと感じました。サーブが機能したこともあって、第1セットは終始自分たちのペースで試合を進めることができたと思います。しかし、第2セットはフォローできるボールを落としたり、第3セットもイージーボールの処理が悪い場面がありました。第4セットはみんなが集中して、比較的いい流れで戦えたと思います。それまでチャンスボールを得点にできないことがあり、そこを改善することを意識しながらプレーしていました。来週は久しぶりに刈谷での試合です。まずは土曜日に向けてしっかりと戦う準備をして臨みたいと思います。

福山汰一

今日は第1セットの立ち上がりから、いいバレーができました。でも、第3セットから「あれれ」という簡単なミスが多くなり、結果的に第4セットにもつれ込んでしまいました。ブロックに関しては、今日は西田の位置取りがよかったと思います。1枚で相手のスパイクを止める場面もありました。昨シーズンに比べてフローターサーブを打つ選手が多くなったこともあり、どれだけフローターサーブで崩せるかが大事になっています。フローターサーブでブレイクが取れたら、ジャンプサーブを打つ人も楽になるでしょう。一人ひとりが自信を持って打っていけば、もっと成果が出ると思います。来週のホームゲームはたくさんの方が来られると思うので、しっかり勝てるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

フローターサーブが機能してブレイクを連発。これからも最大の武器を生かしたい

サーブが明暗を分けた。第1セットはジェイテクトSTINGSがサーブで攻めた。特に久保山のフローターサーブが効果的に相手を崩し、8連続得点を奪った。「相手のリベロの動きを見ながら、空いたところを狙って崩すことができました。あとはブロック&ディグでブレイクポイントを奪うというパターンがうまくいったと思います」と久保山。第2セットも、西田の3連続サービスエースから流れをつかんでいる。逆に取られた第3セットはJT広島のエドガーにサーブレシーブを崩される場面が何度もあった。言うまでもなく、サーブはジェイテクトSTINGSにとって最大の武器だ。サーブで攻め続けることが、V・ファイナルステージ進出の鍵を握っている。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ広島
第1セット 25 - 14
第2セット 25 - 21
第3セット 21 - 25
第4セット 25 - 19
第5セット
日付 2021年2月21日(日)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第24戦
場所 エフピコアリーナふくやま
メンバー 藤中、福山、饒、フェリペ、西田、久保山 L本間
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