ジェイテクトSTINGS VS FC東京

西田、フェリペの活躍で接戦を抜け出すと、第2セットは会心の展開。内定選手の村山もVリーグデビューを果たした

 3カ月ぶりの刈谷でのホームゲームだ。まだ声を出した応援はできないが、間違いなく熱気は戻ってきた。内定選手も躍動し、会心の試合運びを見せた。

 フェリペのスパイクで先制した。アンラッキーな失点もあったが、西田が角度のあるスパイクを決めるなど順調に得点を重ねていく。相手のミスが続いて、5−5から3連続得点。3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 さらに西田がスパイク、ブロックで活躍し11−7。伏見がクイックで、福山がブロックで続き、ジェイテクトSTINGSが完全に主導権を握る。このまま一気に走るかに思われた。
 しかし、中盤はややもたついた。ミスが続いて流れをつかみ切ることができない。一時は1点差まで詰め寄られた。それでも、西田が気迫のこもったスパイクをたたき込み、2点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを奪う。
 ここからフェリペがエンジン全開。強烈なバックアタックで流れをつかむと、積極的に助走に入って相手のディフェンスにプレッシャーをかけた。西田も難しいハイセットを押し込んで得点。フェリペが決めて20−17とすると、宮浦をリリーフサーバーで投入する。西田がサーブで攻めると相手のスパイクがアウトになって22−18。FC東京が1回目のタイムアウトを要求するが、流れは完全にジェイテクトSTINGSにあった。
 福山のクイックで23点目を奪うと、金丸をコートに送り込んでネット際に高さを生み出した。ここは1本で返されたが、最後は伏見のクイックでフィニッシュ。ジェイテクトSTINGSが25−20で第1セットを先取した。

 第2セットは、ジェイテクトSTINGSのペースで試合が進んだ。序盤で一挙5連続得点。チャレンジが成功し、西田のノータッチエースが認められた。福山のブロックも決まった。西田がサーブで攻め、相手からミスを誘った。リベロの本間を軸にサーブレシーブも安定。藤中が決めて8−6とした。
 福山のサービスエースでブレイクポイントを奪うと、その後も伏見がネット際に立ちはだかった。フェリペ、西田がつないだボールを強引に押し込んで得点。西田のスパイク、福山のブロックで14−10とリードを広げた。
 さらに西田にサーブが回ってくると、フェリペ、福山が立て続けに得点を奪う。西田のバックアタックも決まって、18−12と優勢に試合を進めた。セッター久保山のトスワークも冴えていた。一時は3点差まで迫られたが、あとは落ち着いて試合を進めていくだけだった。
 19−15となったところで藤中に代わって郡がコートイン。伏見が相手のクイックをコミットでシャットアウトする。これでこのセットの趨勢が決まった。西田が23点目を奪うと、リリーフサーバーとして入った宮浦がサービスエースを獲得。ジェイテクトSTINGSが、このセットを25−21で奪った。

 第3セットの立ち上がりは、西田にトスを集めて先行した。要所でフェリペがブロックを決め、藤中もキレのあるスパイクをたたき込んだ。1回目のテクニカルタイムアウトを8−4。チームのムードも高まってきた。
 その後も攻撃の手を緩めない。藤中のスパイク、西田のブロックなどで3連続得点を奪った。11−6となったところでFC東京が1回目のタイムアウトを要求。フェリペが決めて13−9、ここで宮浦、小林を続けて投入した。二枚替えで攻撃の厚みが増した。しかし、15−11から4連続失点。フェリペがサーブで狙われて攻め手を失った。
 状況を打破したのはルーキーの力によるものだ。宮浦のスパイクでサイドアウトを切ると、ミドルブロッカーの村山がここでコートイン。Vリーグデビューを果たした。ここから互いに1点ずつ奪い合う展開。フェリペがフェイントで19点目を奪うと、西田が強打で相手のブロックを弾き飛ばしブレイク。あとはジェイテクトSTINGSの流れだった。
 本間のファインプレーから西田が決めて22−19。1点を返されたが、最後は3連続得点で締めくくった。フェリペが決め、福山がブロック。郡を送り込むと、最後は西田のバックアタックが相手コートに突き刺さった。25−20。ジェイテクトSTINGSがストレートで快勝した。

 第3セットは追いつかれる場面もあったが、チームは落ち着いていた。久しぶりにスタメンに入った伏見が活躍したことも好材料だ。
「ストレートで勝てたのは、チームにとってプラスだと思います。ただ、ミスが多かったり、相手に流れを持っていかれそうになった展開もあった。誰が出ても勝てるという、チームの中でもその質を求めていかないと、上に上がったときに勝てません。もっと強い気持ちを持って、戦っていきたいと思います」
 試合後にこう振り返った伏見。明日は同じFC東京と対戦する。今日のような、いや、それ以上の内容で勝利をつかみ取りたい。

髙橋慎治監督

ミスが続く時間帯もありましたが、多くの選手がコートに立ってそれぞれの役割を果たしてくれました。その中で3−0で勝てたことは、チームにとってプラスになると思います。伏見選手に関しては、コンビネーションや試合の感覚が薄れている可能性もあると思っていましたが、今日はしっかりと活躍してくれました。この1週間、単体のコンビだったり、チーム練習の中でのコンビだったり、選手たちも意識しながら確認し合っていました。それが今日の結果につながったと思います。このような状況でも、これだけたくさんのお客様に来ていただいたことは、我々にとって力になります。いい形で刈谷大会を締めくくれるように、今から準備していきたいと思います。

伏見大和

歓声ではなくハリセンの音で、ジェイテクトSTINGSを応援してくださるファンの方が多いなと感じました。応援してくださる人がいる中でプレーできることは、改めていいことだなと思いました。久しぶりの出場だったので、特にそう感じました。今シーズンはコートの外から見ることが多かったのですが、例えば西田選手がスパイクを決めて吠えても、全体の熱量が続いていかない展開が多いように感じていました。僕が入ったときはそういうのを払拭して、自分が決めても他の選手が決めても気迫を出すことを意識してやっていました。僕たちは、目の前の試合を戦っていくしかありません。もっと一体感を持って、戦っていきたいと思います。

村山豪

一番上のカテゴリーで試合に出させてもらったことは、自分にとっていい経験になりました。入る前にリザーブのメンバーから「思い切りやってこい」と言われたので、ただそれだけを意識して臨みました。緊張は特になかったです。自分の武器は速いクイックなので、それがどれだけVリーグで通用するか。これから徐々にパフォーマンスを上げていきたいと思います。まだ得点が取れていないので、まずは得点を取れるように頑張ります。これからまだ試合が続くので、V・ファイナルステージに進めるように自分もチームに貢献できるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

久しぶりにスタメンに入った伏見が躍動。リーグ戦の後半は総力戦で乗り切りたい

久しぶりに長い時間コートに立った伏見だが、まったく不安を感じさせない内容だった。連携面も問題なく、9本のスパイクを打って5本を決めている。「根拠はないけど、『できるかな』と思っていた」と伏見は言う。「最初は少し緊張もありましたが、この1週間もいつも通り過ごせていました。ブロックは反省が残りますが、スパイクに関しては短い時間の中でセッターの久保山選手とうまくコンビを合わせることができたと思います。明日ももっとアグレッシブに(トスを)呼んで、スパイクを決められるように頑張ります」。リーグ戦の後半は総力戦だ。その意味では、途中から入った村山の活躍も、明日以降につながる。目の前の一戦一戦を全力で戦い、V・ファイナルステージまで突っ走りたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS FC東京
第1セット 25 - 20
第2セット 25 - 21
第3セット 25 - 20
第4セット
第5セット
日付 2021年2月27日(土)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第25戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館
メンバー 藤中、伏見、福山、フェリペ、西田、久保山 L本間
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