ジェイテクトSTINGS VS VC長野トライデンツ

序盤で西田が3連続サービスエース。勢いをつかむと、要所で藤中、フェリペが攻め込む。第3セットは内定の村山が活躍した

 敗戦のあとの重要な一戦。先に進むためにも、踏ん張らなければいけない。深く沈み込んだバネのように、ここから高く駆け上がっていくだけだ。

 藤中のサーブで試合開始。まずはフェリペのブロックが火を吹いた。3−3で西田にサーブが回ってくると、そこから3本連続でサービスエース。サーブが機能したジェイテクトSTINGSが、早くもリードを広げた。フェリペもサーブで攻めた。久保山がネット際で押し込んで長いラリーを制すと、福山のブロックで9−4。完全に試合の主導権を握った。
 中盤は攻めあぐねる場面もあった。VC長野トライデンツも気迫をむき出しにして向かってくる。しかし、西田の強烈なスパイクが相手コートに突き刺さった。相手のミスもあり、順調に得点を重ねていった。
 しかし、15−10から4連続失点。フェリペ、藤中のスパイクが立て続けにミスになるなど、なかなかリズムを取り戻せない。1点差に迫られたところで髙橋監督はタイムアウトを要求。フェリペのスパイクで、ようやくサイドアウトを切った。さらに福山がクイックで続いた。
 ここからは一進一退。セッターの久保山は、センター線のクイックを使いながら、サイドにトスを散らして攻撃を展開する。西田が21点目を決めたところで宮浦がコートイン。これは1本で返されたが、終盤はジェイテクトSTINGSが完全に勢いづく。
 福山が決めて22−20。久保山がブロックで続いてブレイク。さらに西田のサービスエースでセットポイントを奪った。金丸を投入して前衛を厚くすると、最後は西田のバックアタックが決まり、25−20で第1セットを奪った。

 第2セットも立ち上がりから走った。西田の強烈なスパイクがストレートに決まって先制。西田がサーブで相手の守備を崩すと、久保山のブロックで4−1とリードを広げた。藤中、西田のスパイクが止められたが、チームに焦りは見られない。藤中が落ち着いて決め、伏見のクイックで7−4。そこから互いに1点ずつ取り合い、8−5で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 セッターの久保山はサイドにトスを散らして、相手のブロックを拡散する。フェリペ、西田、藤中が決めてリードを維持した。
 15−9から4連続失点。VC長野に攻め込まれ、受け身に回ってしまう。リヴァンのサーブに苦しめられた。タイムアウトでも流れを変えることができない。ようやく福山がクイックで相手の攻撃を止めた。しかし、その後もサービスエースを決められるなど、18−17と1点差に迫られる。
 伏見のクイック、西田のブロックで先に20点に乗せた。西田が決めて21−18になったところで、リリーフサーバーの宮浦がコートに入った。ここは1本で返されたが、藤中がキレのあるスパイクを決めてセットポイント。ラリーを制したジェイテクトSTINGSが25−21とし、勝利に王手をかけた。

 第3セットのスタートから伏見に代わって村山が入った。序盤はフェリペにトスを集めて先行。西田のブロックもあり、4−1とリードを広げた。ここでVC長野は早くもタイムアウト。しかし、西田、フェリペが確実にサイドアウトを切っていく。村山のVリーグ初得点で7−4。藤中のスパイクが決まり、3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 フェリペが高いパフォーマンスを発揮した。西田も高い決定率を残した。14−10。あとは、このまま落ち着いて試合を進めていくだけだった。しかし、フェリペのサーブがアウトになると、流れがVC長野に傾く。村山のクイックが止められ、VC長野のリヴァンにサーブレシーブを崩された。タイムアウトでも流れを切ることができず14−15。西田のバックアタックもブロックされた。2回目のテクニカルタイムアウトを15−16で落とした。
 息を吹き返したのはここからだ。藤中がサイドアウトを切ると、西田が難しいトスを決めてブレイク。17−16と逆転に成功する。さらに17−17から3連続得点。本間のハイセットを西田が決め、福山が相手のスパイクをシャットアウト。西田が高い打点から強打をたたき込んだ。
 西田のサービスエースで23点目。マッチポイントを奪ったところで、宮浦と小林がコートに入った。最後は宮浦が強烈なスパイクをたたき込み、第3セットを25−21としたジェイテクトSTINGSがストレート勝ちを決めた。

 主将の本間は勝利者インタビューで「先週のホームゲームで負けてしまったので、明るいジェイテクトSTINGSを見せようと今日の試合にかけてきた。決めなければいけないポイントを今日は取れていたと思う」と安堵の表情を見せた。
 勝ち続けなければいけないジェイテクトSTINGSにとって、一戦一戦が重要だ。気を緩めることなく、明日も全力で戦いたい。

髙橋慎治監督

先週の試合に負け、気持ちが沈んだところもありましたが、そこから切り替えて全員が強い気持ちで今日の試合に臨んでくれました。それがいい結果につながったと思います。西田選手のサービスエースだけでなく、フローターサーブでも相手を崩す場面が多く見受けられました。ジャンプもフローターも全員がいいサーブを打ってくれたと思います。ただ、試合の中でミスが続くこともあったので、そこの精度を上げていかなければいけません。相手もいいバレーをしてきましたが、もっと我慢しなければいけませんでした。そうすれば、もっといい試合ができると思うので、修正して明日に臨みたい。一戦一戦、今の全力を出し切ります。

藤中優斗

先週は自分たちのバレーができずに負けてしまい、悔しい思いをしました。でも、練習では引きずらずに今日の一戦に臨めたので、結果的に3−0で勝つことができたと思います。この1週間、自分のコンディションは落とさずに、チームの約束事を徹底できるように意識してやってきました。いい形でスパイクを打たせていただいたときはしっかり決めることができましたが、二段トスのミスだったり、序盤にあった相手のブロックが1枚の状態でのスパイク、それからパイプが合わずにミスをしてしまう場面がありました。主にその3本を決め切れたらと思うので、明日はしっかり生かしたい。雰囲気が悪いときこそ自分たちがしっかり走り回って、雰囲気を盛り上げていきたいと思います。

西田有志

いいところも悪いところもありましたが、セット中盤の弱さがまた出てしまいました。チームの中でも言っていますが、それをずっとやってしまっている。明日は少しでもよくできるように、チームで話し合いたいと思います。まずは自分たちがやるべきことをやらないと、結果もついてきません。3−0というスコアよりも、その中でできていないことを解消していかないと次はない。先週より今週の方がライトに対するトスがよくなっているし、レフト、クイックも選択肢が増えていると思います。全員でしっかりデータを見て、話をしていくことが重要です。明日も同じような展開にはならないので、もっといい準備をして、もっといいバレーを展開できるようにしていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

勝敗の鍵を握るサーブ。リーグ戦のクライマックスに向けて質を高めていきたい

サーブが機能すれば大崩れすることはない。そのことを証明する一戦だった。西田が一人でサービスエースを5本。フローター陣もほとんどミスがなく、相手のサーブレシーブを崩していた。チーム全体の効果率を見ると、負けた先週のFC東京戦が3.3パーセント。それに対して今日は12.2パーセントと大きく向上している。「僕自身は、相手にとって嫌なサーブを打てているという評価はできません。それでも、今日はミスなく相手の嫌なところをしっかり打っていけたと思います」。こう振り返ったのは藤中だ。チームにとって最大の武器でもあるサーブ。リーグ戦の終盤戦に向けて、勝敗の鍵を握りそうだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS VC長野トライデンツ
第1セット 25 - 20
第2セット 25 - 21
第3セット 25 - 21
第4セット
第5セット
日付 2021年3月6日(土)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第27戦
場所 ジェイテクトアリーナ奈良
メンバー 藤中、伏見、福山、フェリペ、西田、久保山 L本間
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