ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

フェリペが高い決定力で攻撃陣をけん引。第4セットの途中から入った村山が流れを変え、西田にトスを集めて勝ち切った

 先週の火曜日、V・レギュラーラウンドの順位決定方法が発表された。1月に予定されていた東レ戦は、代替試合の開催が困難になり中止。勝利数の多いチームから、勝率の高いチームを上位とすることに変更された。勝率68パーセントで4位のジェイテクトSTINGSは、今日を含めて残り6試合。とにかく勝ち続けるしかない。

 最初の得点はチャレンジの成功によって堺ブレイザーズに入った。しかし、この日も攻撃陣がエンジン全開。西田が軟打を使って得点を奪う。さらに崩れたボールを西田が決めてサイドアウトを切ると、フェリペのスパイクで4−2と突き放した。フェリペがサーブでプレッシャーをかけ、相手からミスを誘った。本間のジャンプトスを西田が決めて8−5。滑り出しは上々だ。
 その後もサイドを軸に得点を重ねていく。藤中、フェリペが決めてブレイク。伏見のノータッチエースもあった。12−9から3連続得点。西田がサーブで攻めて、フェリペが強打で相手コートを強襲。タイムアウト明けには、西田がネットインでサービスエースを奪った。
 16−11で2回目のタイムアウトを迎えた。ここからは一進一退の展開。西田、フェリペが確実に得点を積み重ねる。20−16の場面で入った宮浦がサービスエースを決めた。西田が続いて3連続得点。22−16。互いに1点ずつ取り合うと、西田のサービスエースでセットポイント。西田が再び崩し、返ってきたボールをフェリペがダイレクトで仕留めて25点目。相手の得点を17点に押さえ、ジェイテクトSTINGSが第1セットを先取した。

 続く第2セットは追いかける展開。フェリペのブロックで先制したが、序盤に藤中のスパイクが立て続けに止められた。それでも、福山のクイック、伏見のブロックで同点に。2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、内容は決して悪くなかった。
 セッターの久保山は要所で伏見のクイックを使い、得点を重ねていく。難しいトスをフェリペが相手のブロックに当ててうまく弾き出した。お見合いなどのミスはあったが、西田のスパイクなどで3連続得点。13−13の同点に追いついた。
 我慢の時間が続く。セッターの久保山は、藤中、西田、フェリペのサイド陣にトスを集めてサイドアウトを切っていく。19−19。西田がサーブで攻め、相手のスパイクミスで一歩先行した。22−21の場面で袴谷を投入。しかし、1本で返されると、西田のスパイクが止められて相手にセットポイントを許す。ここで髙橋監督はタイムアウト。
 相手のサーブミスで失セットは回避した。藤中の好レシーブを本間がつないで西田が決めた。大事な場面で伏見がクイックを決めて2度目のセットポイント。最後は相手のスパイクがアウトになり、ジェイテクトSTINGSが27−25で奪取。セットカウントを2−0とした。

 第3セットは19−25で失セットを喫した。序盤から追いかける展開。西田が奮闘するが、なかなかペースがつかめない。1点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、その後は3連続失点を喫するなど逆転を許した。
 さらに15−15から5連続失点。細かいミスもあり、タイムアウトでも嫌な流れを断ち切れなかった。
 15−20で藤中に代えて郡を投入。その郡のバックアタックなどで粘りを見せるが、最後は堺の出耒田にノータッチエースを決められた。

 巻き返しの第4セットは、藤中が再びコートに戻ってきた。チャレンジが成功して先制。フェリペの強打でサイドアウトを切ると、藤中のハイセットを西田が決めてブレイク。さらに西田がうまくブロックアウトを取って、4−1とリードを広げた。しかし、その後は3回連続でブレイクポイントを与えて1点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎える。それでも、内容は互角以上の展開だったと言っていい。
 伏見のクイックで11−11としたところで、福山に代えて村山を投入。この采配が奏功した。村山のブロックでいきなりブレイク。4連続失点を喫するが、村山のクイックでサイドアウトを切った。フェリペのバックアタックも決まった。
 このセットの勝利を決定づけたのが、16−18からの5連続得点だ。久保山、伏見が立て続けにブロックを決めた。西田のスパイクが決まったところで堺はタイムアウトを要求。しかし、攻撃の手を緩めない。伏見、西田のブロックで21−18とリードを奪った。
 あとは落ち着いて試合を進めていくだけだった。サイドアウトが続く。セッターの久保山は西田にトスを託した。西田のブロックでマッチポイント。最後はフェリペのスパイクで25−22。ジェイテクトSTINGSがセットカウント3−1で勝利を奪った。

 白星を上乗せし、勝率を69パーセントに上げた。我慢の時間がありながら、取りたいところでセットを取り切る勝負強さが出てきた。
「負けられない状況ですが、その中で3ポイントが取れたことは大きかったと思う。(個人的には)まだ甘い部分があるので、明日までに一つでもレベルアップできるように頑張っていきたい」
 29得点をあげてVOMに選ばれた西田。負けられない戦いは、これからも続く。

髙橋慎治監督

第2セットに入ってから、お見合いやサーブミスなどがあり、難しい試合になってしまいました。それでも、みんなが我慢して、最後は連続得点で一気に走れたことはよかったと思います。セッターの久保山選手に関しては、いいところもあったし、悪いところもありました。なかなか得点できないケースもあったし、その中でも要所でアクセントをつけたトス回しができていたと思います。今日は福山選手の決定率が上がりませんでしたが、普段から攻撃の柱の一つとして機能しています。途中から入った村山選手も大きな仕事をしてくれました。大事なのは、試合を通して自分たちのリズムを続けること。明日もそこを意識して臨みたいと思います。

久保山尚

第1セットは前半のリードを保ったまま取ることができましたが、第2セット以降は中盤で追いつかれたり、少し離される場面もありました。もっと楽な展開にできるよう、細かいミスに気をつけなければいけません。今日は福山選手に代わって村山選手が入りましたが、相手のトスを見てからの反応という部分で二人ともいいブロックができていると思います。スパイクも器用に打てるので、交代したからといって特別な意識はありません。第4セットは、西田選手もガンガン行っていたので積極的に使い、要所でミドルブロッカーやフェリペ選手を使うように心がけていました。明日は堺さんもまた違ったバレーをしてくると思います。早く対応しつつ、自分たちのバレーが展開できるように頑張ります。

伏見大和

勝ち切れたことはよかったですが、後半にかけて僕も含めたセンター線が決まらず、サイドに負担がかかってしまいました。最後に西田選手にトスが集まるというのは、今シーズン、苦しくなる試合展開の典型でもあるので、そうさせてしまったことは責任を感じます。今日の堺さんはBクイックなど距離を使った攻撃に対して、ブロックを厚くしない傾向があったので、そこにもっと早く気づけていればよかった。僕からも積極的にセッターに対して要求しておけばよかったと思っています。それでも、最後はたたみかけるようにチームが一気にまとまったことで、勝ちにつながったと思います。ここまで日曜日の試合を落とすケースが多いので、どうやって勝つかをこれからの時間を使って考えたい。しっかり勝って、残りの4戦につなげていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

第2セット終盤のクイックが明暗を分けた。引き続き、ミドルの攻撃に注目したい

第2セット終盤、ジュースに入ったところで決めた伏見のクイックがこの試合の勝敗を分けたと思う。確かにセット前半は伏見の決定率が高かった。何度もサイドアウトを切った。それでも、相手に一度はセットポイントを許し、ジュースにもつれ込んだ場面でのセッター久保山の選択は、チームに勢いを与えたと言えよう。第3セットこそ落としたが、第4セットは途中から入った村山を積極的に使い、中盤の追い上げにつなげている。セッターの久保山はクイックについて「無理に使うというよりは、ミドルに対する相手の意識が薄くなってきたときなど要所で使えるように意識しています」と話している。明日は明日で、堺はまた違った攻撃の組み立て方をしてくるだろう。引き続き、ミドルブロッカーを生かした攻撃に注目したい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 25 - 17
第2セット 27 - 25
第3セット 19 - 25
第4セット 25 - 22
第5セット
日付 2021年3月13日(土)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第29戦
場所 堺市金岡公園体育館
メンバー 藤中、伏見、福山、フェリペ、西田、久保山 L本間
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