ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

ペースがつかめず立ち上がりから苦しい展開に。西田が22得点と気を吐くが、攻守の連携がかみ合わず失点を重ねる

「正直、何もせずに終わったという印象です。ミーティングの内容どうこうではなく、準備なのか気持ちなのか、今回の試合はそこの部分がものすごく欠けていました」
 試合の記者会見、福山は冒頭でこう話した。サントリーサンバーズにストレートで完敗。西田が1本のサービスエースを含め22得点と一人気を吐いたが、終始一方的な展開に持ち込まれた。

 序盤からサーブで崩された。西田がサイドアウトを切るが、なかなか連続得点が奪えない。それでも、福山がサービスエースを決めて同点に。セッターの久保山は西田にトスを託して、得点を積み重ねていく。1回目のテクニカルタイムアウトは2点のビハインドで迎えた。
 しかし、依然として相手にサーブで攻め込まれ、クイックなど真ん中の攻撃が機能しない。西田が高い打点からスパイクを放ち、どうにかサントリーとの僅差をキープ。さらに西田のサーブで10−10の同点に追いついた。
 中盤はサントリーのペースで進行していく。初スタメンの秦、途中出場の佐藤にサービスエースを決められて、連続失点を繰り返す。久保山がサービスエースを決めるが、そのあとが続かない。ブロックとディグの連携も機能しなかった。14−20となったところで藤中を下げて郡をコートに送り込む。
 流れを変えたかったが、サーブレシーブのミスが続き15−23。最後までペースを取り戻せず、16−25でこのセットを失った。

 第2セットも序盤はサントリーがリード。立て続けにサーブレシーブを崩された。ムセルスキーには高い打点からスパイクを打ち込まれた。1回目のテクニカルタイムアウトは4−8。さらにフェリペ、西田が立て続けに止められて6−11。ここで髙橋監督は1回目のタイムアウトを要求する。
 伏見に代えて村山をコートに送り込んだ。サイド一辺倒だった攻撃に、クイックが加わった。要所で福山も決めた。3点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウト。徐々に本領を取り戻しつつあった。
 後半はジェイテクトSTINGSが驚異の追い上げを見せた。14−16の場面で郡がコートに入った。さらにフェリペがバックに下がったところで興梠がコートイン。守備を固めた。
 西田のスパイクでラリーを制した。村山がスピードを生かしてクイックをたたき込む。1点差に迫ったところで、サントリーは1回目のタイムアウトを取った。
 終盤は点の取り合い。西田、フェリペが確実に得点を重ねる。西田が決めて21−22。ここでフェリペが値千金のサービスエース。ついに同点に追いついた。サントリーのセットポイントを村山のクイックなどで2度しのいだ。25−27で敗れはしたが、ジェイテクトSTINGSの熱量はまだ衰えてはいなかった。

 第3セットは、村山がスタートから入り、福山と前後のポジションを入れ替えてきた。サーブで効果が表れた。福山がいきなりサービスエース。さらに西田が右手で相手コートにボールを押し込んだ。藤中の決定力も上がり、チームの表情も明るくなってきた。
 中盤はサイドアウトの応酬となった。ジェイテクトSTINGSは西田にトスを集めて、サイドアウトを切っていく。12−16で2回目のテクニカルタイムアウトを折り返したところで、フェリペに代えて郡を投入。要所で、福山、藤中が決めて、粘り強く食らいついていった。
 しかし、16−21と点差が開いたところで髙橋監督は2回目のタイムアウトを要求。郡のバックアタックで、相手に傾きかけた流れを断ち切った。ここで伏見、宮浦が同時に入る。リリーフサーバーの宮浦がサービスエース。大きな仕事を成し遂げた。
 18−22。久保山、宮浦をコートに戻した。最後はサービスエースを決められて19−25。ストレート負けを喫した。

 アウェイで行われた11月の試合は、2戦ともフルセットに持ち込んだ(1勝1敗)。しかし、この日は文字通りの完敗。髙橋監督が言う。
「西田選手が機能しても、他の選手が機能しないとこのような展開になります。今日に関しては、西田頼みのチームになってしまったことが反省点。これからの課題にもなると思うので、しっかり反省したいと思います」
 リーグ戦もあと1試合。今シーズンの集大成だ。勝っても負けても、笑顔で試合終了を迎えたい。

髙橋慎治監督

サントリーさんの高い攻撃力に対してこちらが対応できず、それに加えて自分たちのプレーの精度が下がるような形で試合が進んでしまいました。完敗の内容です。これだけたくさんのお客様に来ていただいたホームゲームでこのような試合をしてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです。自分たちのプレーの精度、ちゃんと返せるレシーブが返せなかったり、打ち切れるところまでトスが上がっていなかったり、そういうケースが多く見られたので、そこを修正したいと思います。明日はリーグ戦のラストゲームになるので、来ていただいているお客様に感謝の気持ちをプレーでお見せできるようにいい形で試合を展開したいと思います。

福山汰一

昨シーズンが終わったあと、フェデリココーチにお願いして、ブロックステップと手の出し方を練習してきました。それが形になってきたと思いますが、ただ、ブロックとディグが揃ってはじめて得点になると思っています。西田選手のサーブも効果があるし、フローター陣も頑張って打っている。連携が取れているときはいいブロックができていると思います。ファイナル3に進む可能性はなくなりましたが、やることに変わりはありません。今週も、目の前の試合にどうやって勝つかということしか考えていませんでした。ただ、今日は本当に悪かったので、明日は明日でしっかり切り替えて、もっと準備して、最後の試合にはなりますが、いい結果が出るように頑張りたいと思います。

西田有志

バレーボールには自分が制御できるプレーとできないプレーがあります。その中で、自分が制御できるところでしっかり数字を上げていくことにしかフォーカスできませんでした。徳島でホームゲームをやるのは3回目で、この体育館(アスティとくしま)は昨年と今年の2回目。たくさんのお客さんに入っていただいたけど、今日の試合内容では満足できないと思うので、明日は満足できる試合内容にし、しっかりと次につなげられる試合にできるように頑張ります。いろいろ思うところはありますが、今日は何もしないで終わったという気持ちです。個人的にはサーブがダメだったので、明日は全員でしっかりと準備して臨めたらと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

アタック決定率58.3パーセントも敗戦の責任を負う西田。明日は最高のパフォーマンスを見せてほしい

残念なのは負けたことではなく、シーズンを通して取り組んできたコンビネーションが機能しなかったことだ。第1セットは、相手のミスとサービスエースを除けば、得点はすべて西田のスパイクによるもの。他の選手のスパイクはことごとく止められた。しかし、「トスが偏った」という質問にも、西田は非常に前向きだ。「まず、そこは僕が制御できるところではありません。トスの配分はセッターが考えるものだし、返ってくるパスの位置も違う。今日の試合は、サントリーさんが全員いいサーブを打ってきました。もちろん、オポジットにボールが集まらないチームはないし、それが普通だと思う。その普通を、オポジットがどう決めるか。いかに得点につなげるかで、チームの勝敗が決まってきます。今日は決め切れないボールもたくさんあったし、負けは自分の責任だと思っています。それが自分にとっての反省点だし、自分に上がってきたトスを決め切ること、あるいはリバウンドを取ってチームに勢いをつけなければいけません。明日はもっといいクオリティでやっていきたいと思います」。打数36に対して得点は21。これだけマークされながらも58.3パーセントの決定率は驚異だ。明日は集大成の一戦。最高のパフォーマンスを見せてほしい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 16 - 25
第2セット 25 - 27
第3セット 19 - 25
第4セット
第5セット
日付 2021年3月27日(土)
試合 2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第33戦
場所 徳島県立産業観光交流センター
メンバー 藤中、伏見、福山、フェリペ、西田、久保山 L本間
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