ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ広島

鬼気迫るフェリペの活躍などで第1、2セットを連取。フルセットに持ち込まれたが、宮浦のサービスエース、村山のブロックなどで勝ち切った

 前日の開幕戦はJTサンダーズ広島を相手に完敗。しかし、この日のジェイテクトSTINGSは、見違えるような動きを見せた。立ち上がりのチームを引っ張ったのは、オポジットの宮浦だった。
 リベロ本間の安定したサーブレシーブから、藤中がバックアタックを決めてサイドアウトを切る。昨日に引き続き、高い攻撃の意識を見せる藤中が躍動した。さらにフェリペも気迫のこもったプレーを披露。サーブレシーブも安定し、高さのあるJT広島のブロックを封じ込めた。
 久保山のサービスエースで1点差に詰め寄ると、その後も福山のクイック、宮浦のスパイクなどで確実にサイドアウトを切っていく。相手のミスを誘って、9−12から3連続得点。同点に追いついた。宮浦のバックアタックも効果的に決まった。一時は16−19と点差を離されるが、途中から入った興梠が守備を落ち着かせる。
 福山のクイックで18−21。藤中のサーブが機能して、フェリペ、福山のブロックなどで22−21と逆転に成功。フェリペのスパイクで先にセットポイントを奪うと、最後は宮浦がサーブで攻め、村山がダイレクトスパイクを決めて25点目を奪取。相手の得点を23点に抑えたジェイテクトSTINGSが第1セットを先取した。

 第2セットも拮抗した展開。宮浦のスパイクでラリーを制すると、福山のクイックなどで加点。圧巻のパフォーマンスを見せたのがフェリペだ。4−5でサーブが回ってくると、2本連続でサービスエースを決めた。久保山のブロックで7−5。2点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 中盤まで一進一退の展開が続く。フェリペのバックアタック、宮浦のスパイク、村山のクイックなどで粘り強く得点を重ねていく。一時は15−19と離されたかに思われたが、ジェイテクトSTINGSの集中力は高かった。タイムアウト明けのプレーで宮浦が得点を決めると、その勢いが止まらない。セッターの久保山も若きオポジットにトスを集めて、ゲームの主導権を握った。
 20−22の場面で金丸を送り込むと、この采配が功を奏し、相手のスパイクミスでブレイク。1点を返されたが、ここから藤中のスパイク、福山のブロックで23−23の同点に追いついた。相手に先にセットポイントを取られるが、宮浦が立て続けに決めて25−24と逆転に成功。最後はフェリペの得点で26−24とし、ジェイテクトSTINGSが2セットを連取した。

 しかし、相手は試合巧者のJT広島。第3、4セットは逆襲を受けた。特に第4セットは、1回目のテクニカルタイムアウトを4点のリードで奪いながら、終盤の連続失点で逆転負け。とはいえ内容が悪かったわけではなく、フェリペ、宮浦にトスを集めて中盤は着実にサイドアウトを切っていた。要所で藤中がバックアタックをたたき込むなど、ペースは五分五分だったと言っていい。
 流れが大きく変わったのは終盤に入ってからだ。サービスエースを決められるなど、16−15から3連続失点を喫した。宮浦のスパイクで流れを引き寄せるものの、JT広島のエドガーにサービスエースを決められて、ビハインドが3点に広がる。
 19−22の場面で、前日の開幕戦で活躍した都築を投入。しかし、大きな起爆剤とはならず、このセットを20−25で失った。勝敗の行方は、第5セットに持ち越された。

 序盤のリードを奪ったのはジェイテクトSTINGSだった。フェリペの巧打、宮浦のスパイクなどで懸命に食らいつく。藤中のブロックが成功して4−3と逆転。さらに藤中がサイドアウトを切ると、相手のミスが続いて8−5と一気に点差を広げた。
 JT広島の金子にノータッチエースを決められて1点差に詰められるものの、タイムアウトを取って嫌な流れを断ち切った。しかし、9−9になったところで、フェリペにアクシデントが発生。それでも、代わって入った都築は落ち着いていた。
 宮浦が決めてサイドアウトを切ると、村山が勝負どころで貴重なブロックを決める。リベロ本間の好守も光った。さらに宮浦のサービスエースで13−10。これで完全に流れをつかんだ。JT広島のサーブミスで14−11とマッチポイント。最後は村山のブロックで死闘に決着をつけた。

 タフな一戦となったが、全員が最後まで集中力を途切らせなかった。
「勝ち切れたことが何よりも重要で、負け癖がつくかつかないかの瀬戸際だった。その意味では、チームにとってすごく大きな一勝になったと思います」
 試合後の会見で、キャプテンの本間はそう話した。次戦は来週土曜日のFC東京戦。今日の勝利を弾みにして、上位に食らいついていきたいところだ。

フェデリコ・ ファジャーニ監督

昨日の試合から反撃することができました。サイドアウトにしても、サーブとブロックの連携にしても、昨日よりもいいプレーができたと思います。特に昨日は、数多くのブロックを取られました。その意味では改善できたし、得点を取りにいく気持ちも昨日に比べて強かった。このチームは昨シーズンに比べて若いチームで、すべての試合でファイトしなければいけません。一戦一戦が決勝戦のつもりで戦わないといけない。例えば、10−12で相手にリードを許しているときでも、今日のようにしっかりと反撃することが重要です。今のチームにとって、そこがすごく大事なところです。

本間隆太

僕の中では(2セットを先取して迎えた)第3セットか第4セットは取らなければいけなかった。しかし、チームで取らないといけない点数が取れず、集中力が切れる場面もありました。それでも、最後にチームが一つになれたことは、今後の成長につながると思っています。守備に関しては、昨日もそこまでやられた感覚はありません。ただ今日の試合に関しては、相手がフローターサーブのときは僕と藤中選手の2枚で取り、フェリペ選手をフリーにしようと思っていました。厳しいコースに打たれてサービスエースを決められることもあったけど、フェリペ選手がフリーになることで昨日よりも攻撃はしやすかったと思います。

久保山尚

フルセットから勝ち切るという経験ができてよかったと思っています。第3、4セットはリードを守り切れずに落としたので、中盤以降の戦い方を突き詰めていけば、もっと楽な試合展開になると思う。あとはコンビの精度を上げていきたいと思っています。昨日は序盤に崩されてから無難な組み立てをしてしまい、相手のブロックが簡単に来てワンタッチを取られたり、シャットされることが多かった。今日は第1セットの序盤から全体をうまく使えていたので、そこは収穫だと思います。若い選手はトップリーグに来て戸惑うこともあると思うけど、そこは僕たちベテランがフォローしつつ、思い切りプレーさせてあげたいと思っています。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

サーブが機能して、JT広島から攻撃の手数を奪った

前日の「3.7」に対して今日は「10.2」。サーブ効果率だ。あらゆる数字が改善されているが、なかでもサーブが機能したことが勝因にあげられるだろう。サービスエースはフェリペが3本。時折見せる村山のジャンプサーブが相手を驚かせた。第5セット終盤の宮浦のサービスエースは、試合を決定づけたと言っていい。JT広島から攻撃の手数を奪う効果もあった。ファジャーニ監督が言う。「確かにサーブはよかった。でも、もっといいサーブが打てると思っています。今日はゾーン1やゾーン5からサーブを打ったし、ジャンプサーブやフローターなどバリエーションも機能した。その意味では、昨日よりもいいサーブが打てたと思います」。サーブはジェイテクトSTINGSの代名詞でもある。これからもストロングポイントを伸ばし、どこが相手でも試合を優位に進めていきたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ広島
第1セット 25 - 23
第2セット 26 - 24
第3セット 20 - 25
第4セット 20 - 25
第5セット 15 - 11
日付 2021年10月16日(土)
試合 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第2戦
場所 ウィングアリーナ刈谷
メンバー 藤中、福山、フェリペ、村山、宮浦、久保山 L本間
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