ジェイテクトSTINGS VS FC東京

フェリペがアタック決定率80.0パーセントと大暴れ。サーブマネジメントも機能し、守備で主導権を握った

 ホームで行われた開幕週は1勝1敗。まずまずのスタートを切った。今週の相手はFC東京。ノルウェー代表のクヴァーレン・ヨナス、フィリピン代表のエスペホ・マークが新たに加入するなど、その実力は未知数だ。絶対に隙を与えてはいけない。試合は17時、FC東京のサーブで幕を開けた。

 立ち上がりは、ブラジル人アウトサイドヒッターがエンジン全開。フェリペが角度のあるスパイクで先制点を奪うと、その後も着実に得点を重ねていく。チャレンジの成功によって宮浦のノータッチエースも認められた。難しいハイセットを藤中が決めてブレイク。宮浦のスパイクで、1回目のテクニカルタイムアウトを8−4とした。
 さらに10−7から3連続得点。藤中のサーブが効果的に相手を崩した。リベロの本間も安定したサーブレシーブを見せ、相手に連続得点を与えない。特にこの日は、フェリペが決定率80.0パーセントと大爆発。村山のブロックも決まり、16−9で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 落ち着いた試合運びを見せた。セッターの久保山は調子のいいフェリペにトスを集め、要所でセンター線のクイックを駆使してサイドアウトを切っていく。58.3パーセントの決定率を残した藤中も躍動。フェリペのブロックで23−14とリードを広げる。
 宮浦のスパイクでセットポイントを奪うと、袴谷がリリーフサーバーとしてコートに立った。ここは1本で切られたが、フェリペのスパイクでフィニッシュ。ジェイテクトSTINGSが25−17と圧倒した。

 第2セットはサイドアウトの応酬。ジェイテクトSTINGSは福山のクイック、宮浦のサービスエースなどで得点を重ねていく。福山のブロックで6−4。宮浦のバックアタックも機能し、8−6とリードを奪った。
 中盤もジェイテクトSTINGSが優位に試合を進めた。福山がスピンをかけたサーブで相手を崩すと、フェリペのブロックでブレイク。さらに宮浦、村山が粘り強く得点を重ねていく。フェリペの安定したサーブレシーブから藤中が立て続けに得点。フェリペが決めて、16−15とした。
 終盤はジェイテクトSTINGSが一気に突き放した。17−17から4連続得点。村山のスパイク、フェリペのサービスエースで、好守のFC東京を打ち崩していく。相手にタイムアウトを取られても、流れは失わない。22−18で金丸を投入。その後のプレーでチャレンジが成功し、23点目を奪った。フェリペのスパイクでセットポイント。最後は藤中が相手ブロックからワンタッチを誘って25−19、2セットを連取して勝利に王手をかけた。

 第3セットも終始、ジェイテクトSTINGSがリードを奪った。久保山が右手一本で上げたトスをフェリペが決めて先制。村山のスパイクに、宮浦のバックアタック、福山のブロックが続いて3連続得点。2点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを奪うと、藤中の低くて速いサーブがネットイン。さらに福山がネット際で強さを発揮して10−6と点差を広げた。
 FC東京はここでタイムアウトを要求。しかし、ジェイテクトSTINGSは流れを譲らない。フェリペも好調を維持。宮浦のサービスエースで13−8とすると、村山のBクイックでサイドアウトを切る。フェリペの強烈なバックアタックが決まり、4点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 久保山の好レシーブでボールをつなぎ、福山のブロックで19−13。ここでFC東京が2回目のタイムアウトを使い切る。フェリペのスパイクで20点目が入ったところで都築がコートイン。福山が鋭い回転がかかったサーブを相手コートに突き刺してブレイクを奪った。村山のブロックが成功して22点目。ここで藤中に代えて郡を投入する。都築が決めて23−16。最後は郡が相手コートの奥に決めて25−19、ジェイテクトSTINGSがストレート勝ちを決めた。

 ヒーローインタビューに立ったフェリペは、「セッターとのコンビネーションを合わせるためにずっと練習してきた。久保山選手がハードワークしてくれたことが今日の結果につながった」と笑顔。翌日の試合に向けて気を引き締めた。

フェデリコ・ ファジャーニ監督

今日の試合には満足しています。先週の2試合に比べて、サイドアウトがよかった。それ以外に、サーブのマネジメント、ブレイクポイントのペースにおいてもいいプレーを見せることができました。特にサイドアウトが取れなかったローテーションの練習をしてきたことがよかったのだと思います。いくら個々のスキルが高くても、チームワークがなければあのようなプレーはできません。レセプションアタックもそう。これまでの課題を、いろいろな状況を想定しながら取り組んできました。サーブも、今シーズンを戦う上で一つの重要なスキルになるでしょう。

福山汰一

FC東京さんの先週の試合を見て、レセプションが返った時にどういう配球をしてくるのか、それに対してどういうブロックのつき方をするべきかを、みんなで話し合ってきました。今日のミーティングで再確認し、止めるというよりもワンタッチを取ってディグにつなげること。そして、サイドに遅れないようにすることを意識して臨みました。サーブに関しては、一人ひとりが攻めなければいけないのはわかっています。リーグが進むに従って、強化してきたことが形になって現れたらいい。明日も相手の変化に対応しつつ、今日できたことは引き続きやるということを最低限意識しながら臨みたいと思います。

藤中優斗

開幕戦は悔しい負け方をしましたが、しっかりと切り替えて次の日はなんとか勝つことができました。今週もチームにとって大事な試合だと思っていたので、無事に勝つことができてよかったです。(サイドアウトがよかった要因は?)レセプションの数字はよくなかったけど、久保山選手がうまくカバーしてくれました。アタッカーも先週は被ブロックが多かったけど、そこを修正して今日はしっかり決め切れたと思います。明日は今日以上に難しい試合になると思いますが、スタートから出ている選手は(早稲田大の)後輩も多く、一人の先輩として勝利を届けたいという思いもあります。その前に、まずは自分のプレーをしっかり出せるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

サーブの良し悪しが、勝敗を決定づけるポイントになる

今シーズンが開幕する前、福山はサーブの強化をポイントの一つに挙げていた。その効果が現れたのは第3セット終盤だ。縦に鋭い回転を加えたサーブでエースを奪った。しかし、今日はサーブの調子がよくなかったと言う。「正直、練習の時のほうがよくて、ミスを減らさないといけないと思いながら打っていました。自分自身が会場に対応できていないというところもあると思います。トスとヒットの感触を確認しながら、今日はフローターが入らなかったので、最後はスピンでいきました」と福山。それでも、藤中もハイブリッド気味の速くて低いサーブを織り交ぜるなど、何度も相手のサーブレシーブを崩した。ファジャーニ監督も「サーブのマネジメント」を評価している。それがすべてとは言えないが、試合の流れを見極める上で、サーブの良し悪しが一つのバロメーターになりそうだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS FC東京
第1セット 25 - 17
第2セット 25 - 19
第3セット 25 - 19
第4セット
第5セット
日付 2021年10月23日(土)
試合 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第3戦
場所 パナソニックアリーナ
メンバー 藤中、福山、フェリペ、村山、宮浦、久保山 L本間
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