ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

第1セット序盤は先行するが、サーブレシーブを崩されて失速。攻撃も対策され、自滅に近い形ですべてのセットを失う

 サントリーサンバーズとの第2戦は、これ以上ないほどの悔しい敗戦となった。チャンスがなかったわけではない。しかし、得点や好プレーがあっても、それによって自分たちに流れを引き寄せることができなかった。
 だが、考え方を変えれば、リーグ戦はまだはじまったばかり。ここで立ち止まるわけにはいかない。のちに今シーズンを振り返ったときに「あの試合がターニングポイントだった」と言えるように。今はとにかく前を向くことが重要だ。

 第1セットの入り方は悪くなかった。幸先よく4点を先行している。村山、フェリペのブロックが成功。相手のミスもあった。さらに宮浦のノータッチエースで6−2。ここで流れに乗りたかった。しかし、サントリーのアラインにサーブで攻められて4連続失点。宮浦が決めて8点を先行したものの、地に足がついていない雰囲気がどこかにあった。
 ここから3連続失点を2度繰り返し、9−13とスコアを一気にひっくり返される。タイムアウトでも流れを断ち切ることができない。宮浦のスパイクも、ブロックとレシーブで対策を立てられた。
 藤中のスパイクで反撃の狼煙をあげる。フェリペのスパイク、ブロックで3連続得点を奪った。しかし、そのあとが続かない。フェリペ、村山のスパイクでサイドアウトを切るが、得点は散発。サーブレシーブを崩されて、14−20とビハインドが広がる。粘りを見せたいジェイテクトSTINGSは藤中の連続得点などで、一時は2点差まで詰め寄った。
 しかし、その後もサントリーが主導権を掌握。ジェイテクトSTINGSはサーブレシーブが安定せず、3連続失点を喫する。20−25で失セット。しかし、スコア以上に内容に開きが見られた第1セットだった。

 第2セットの序盤は拮抗した展開。フェリペが積極的にトスを呼び込み、福山のクイックでラリーを制してブレイク。しかし、アラインにサービスエースを決められて、そこからは追いかける展開に。藤中のスパイクなどでサイドアウトを切るが、1点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。お互いにサーブでリズムがつかめず、ここでもジェイテクトSTINGSが後手に回った印象が強い。
 8−11となったところでファジャーニ監督は1回目のタイムアウトを要求する。相手のミスもあり、12−12の同点に追いついた。しかし、サーブレシーブの失敗も響き、ここから3連続失点。宮浦が角度のあるスパイクを決めて勢いをつかむが、14−16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 終盤はサントリーの一方的な展開になった。福山が強いサーブで攻める姿勢を見せるが、ボールはラインの外。フェリペのスパイクがアウトになるなど、もったいない攻撃もあった。藤中のバックアタックがサントリーの小野に止められて3連続失点。ここでファジャーニ監督は道井をコートに送り込む。しかし、チームとして本来の力を出し切れないまま、17−25でこのセットを失った。

 10分のインターバルを経ても流れは取り戻せなかった。第3セットは立ち上がりから6連続失点。そのうちの実に5点をブロックポイントで失った。久保山がサーブレシーブをするなど、サントリーのサーブの狙いがハマったと言っていい。ジェイテクトSTINGSの攻撃は完全に封じ込められた。オポジットを宮浦から袴谷にスイッチ。フェリペのスパイクで1点を返すものの、1−8の大差で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 セッターの久保山は積極的に袴谷を使ってサイドアウトを切っていく。村山の速攻も決まった。しかし、ブレイクが奪えず得点差が縮まらない。取れる点数も取れない。フェリペに代えて都築を投入。さらにセッターを再び道井に代えて打開を図った。
 最後まで流れはサントリーだった。淡々とゲームが進んでいく。ベテランの金丸をコートに送り込んだ。アウトになったかに思われた都築のスパイクは、チャレンジが成功してスコアが覆った。袴谷がスパイクを決め、藤中がサービスエースを奪った。しかし、序盤に開いた点差はあまりに大きかった。都築が決めてサイドアウトを切るが万事休す。16−25で敗れた。

 今シーズン初めてストレート負けを喫した。チームのショックは決して小さくない。しかし、来週はパナソニックとのホームゲーム。絶対に同じような試合を繰り返してはいけない。大事なのは、全員のマインドを同じ方向に向けること。チームが一つになり、前に歩みを進めていくことが何よりも重要だ。

フェデリコ・ ファジャーニ監督

今までで最悪の試合でした。来週からもっとハードワークしなければいけません。第2セットのローテーションを変えたのは、マッチアップが理由の一つです。もう一つが、宮浦のサーブからスタートすること。昨日は途中から小林を投入しましたが、今いるセッターを試したいという意図で、今日は道井を入れました。道井はセッターとして初めての試合になりましたが、内容は悪くなかったと思います。今後もコートに入る可能性はあるでしょう。来週のパナソニック戦に向けて、まずは自分たちのプレーに集中することが重要です。自信を持って、チームとしてプレーすること。技術的なことよりも、チームとしてプレーすることを大切にしたいと思います。

本間隆太

難しい試合になってしまいました。僕自身にとっては、昨夜のミーティングでうまくチームをコントロールできなかったことが反省点です。チームが崩れてしまったという印象が、今日の試合は強いです。自分のバレー人生でも、ここまでチームとして崩れた試合はありません。プラスに考えればいい経験かもしれないけど、二度とこういう経験はしたくないし、お客さんの前で見せるべきものでもなかった。そこはキャプテンとして反省しています。試合が終わったばかりで、キャプテンとして初めてパンクしている状態です。まずは冷静になって全員のベクトルを合わせ、来週のパナソニック戦に向けてベストのパフォーマンスが出せる準備をしていきたいと思います。

道井淳平

点差が開いていた分、流れを変えようという気持ちでコートに入りました。初めてセッターとして試合に出ることになったので、すごく緊張したし、体が寒くなりました。先輩や後輩からケツをたたかれたので、思い切りプレーしました。相手の強いサーブに対して、レシーブをする選手は必死にボールを上げています。そのボールをアタッカーに上げられたら、自分にとって自信になるし、アタッカーも気持ちよく決めてくれると思う。アタッカーが打ち切れないのは、トスの精度が悪いからなので、そこを修正すればもっといいプレーができると思います。来週はホームゲームですが、自分のプレーをすることを大前提に、チームとしては勝つことを大事にしたいと思います。1勝すれば流れは来ると思うので、勝利を目指して頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

伝わってこなかった覇気。今がどん底と認識し、ここから這い上がっていきたい

ここまで崩れた試合を見るのは久しぶりだ。決して実力に差があったわけではない。ただ、ジェイテクトSTINGSのコートから覇気が伝わってこなかった。本間が言う。「ああいう雰囲気だと、誰も100パーセントのパフォーマンスを出せません。確かにチームがまとまっていても、集中力が切れることはあります。そういうときはチームで立て直せるが、今日はまったくそれができなかった」。ファジャーニ監督は第2セットが終わったあとのインターバルで、「点数を忘れて、とにかくベストを尽くすこと。そして、コミュニケーションを取り合うことを伝えた」と言う。しかし、チームは最後まで一つになれなかった。終わった試合は取り戻せない。幸いだったのは、リーグ戦がはじまってまだ6戦目だということ。今がどん底だと認識し、ここから這い上がっていけばいい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 20 - 25
第2セット 17 - 25
第3セット 16 - 25
第4セット
第5セット
日付 2021年10月31日(日)
試合 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第6戦
場所 丸善インテックアリーナ大阪
メンバー 藤中、福山、フェリペ、村山、宮浦、久保山 L本間
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