ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

宮浦がスパイクでチーム最多の19得点。セッター久保山の巧みなトスワークで、相手の守備を翻弄した

 パナソニックパンサーズとの第2戦は、立ち上がりから集中していた。藤中のサーブでゲームがスタート。セッターの久保山は最初のトスをフェリペに上げた。サーブレシーブは崩れたものの、フェリペがハイセットを決めて1−1。さらに福山がサーブで崩すと、村山のクイックで3−1とリードを奪う。サービスエースで同点に追いつかれるが、ジェイテクトSTINGSは慌てない。4−4から3連続得点。藤中がダイレクトスパイク、ブロックで得点を重ねた。
 この日もフェリペが攻守でチームを引っ張った。11−6となったところでパナソニックは1回目のタイムアウト。しかし、ジェイテクトSTINGSがたたみかける。藤中のブロック、宮浦のスパイクなどで5連続得点を奪うと、14−6と一方的な展開に持ち込んだ。
 ブロックが機能し、相手の攻撃を粘り強くつなぐ。藤中のスパイクでサイドアウトを切ると、2回目のテクニカルタイムアウトを挟んで4連続得点。フェリペのブロック、宮浦のスパイクなどで得点を重ねた。
 要所で福山がサービスエースを決めて20−8。これで完全にこのセットの趨勢を握った。相手の意識をサイドに集めて、村山が真ん中からクイックで加点。都築を投入して勢いをつけた。相手にサービスエースを決められたが、すぐにタイムアウトを取って悪い流れを払拭した。
 相手のミスが続いてセットポイントを奪うと、最後は宮浦がレフトから決めて25−16。ジェイテクトSTINGSが第1セットを圧倒した。

 しかし、続く第2セットは失セット。5−4から9連続失点を喫した。袴谷、道井を投入するが、流れを取り戻すだけで精一杯。後半は都築をコートに送り込んだ。袴谷のサービスエースなど見せ場は作ったが、スコアをひっくり返すまでは至らなかった。
 それでも、一人ひとりの気持ちのこもったプレーは、チーム全体を奮い立たせた。第3セットは、再びジェイテクトSTINGSが走る。村山のクイックでサイドアウトを切った。宮浦がスパイク、ブロックで3連続得点。ゲームの流れを引き戻した。宮浦のスパイクが決まって、8−5で1回目のテクニカルタイムアウトを折り返した。
 セッターの久保山は積極的に宮浦を使って得点を重ねていく。フェリペがサーブで相手を崩し、村山のブロックなどで3連続得点。1点を返されたが、トップフォームを取り戻した宮浦の活躍で再び3連続得点を奪い、14−7とリードを広げた。
 フェリペのこの日のサーブレシーブ成功率は63.0パーセント。本間の65.0パーセントに次いで高い数字を残した。守備の安定によって久保山のトスワークに余裕が生まれ、攻撃の選択肢が広がった。宮浦がうまく相手のブロックからワンタッチを取って16−11。フェリペがアンダーで上げた難しいトスを、宮浦が思い切ってバックアタックを放つ。これでこのセットの主導権を握った。
 藤中のブロックで21−14。ワンポイントで入った陳もブロックポイントを奪い、チームのムードが最高潮に達した。最後は相手のミスが続き、ジェイテクトSTINGSが25−16でこのセットを制した。

 勢いが止まらない。第4セットは立ち上がりから4連続得点。宮浦のスパイクで先行すると、村山がブロックで続いた。要所で村山がクイックを決めた。村山はこの日、6本のスパイクを放ち6得点。アタック決定率100パーセントでチームの攻撃に貢献した。さらに村山のサービスエースで8−3。大量リードを奪った。
 さらにサーブとブロックで流れをつかんだジェイテクトSTINGSが、その後も優位に試合を進めた。宮浦、藤中、フェリペを軸にサイドアウトを切っていく。宮浦のアタック決定率は「63.3パーセント」。その表情とプレーからは自信が満ち溢れていた。宮浦が強打をコートの奥にたたき込むと、フェリペも相手ブロックを弾き飛ばして16−11。リードを5点に広げた。
 あとは落ち着いて試合を進めるだけだった。宮浦がブロックで止められると、ファジャーニ監督はタイムアウトを要求。福山のクイックで嫌な流れを断ち切った。宮浦がうまくストレートに決めてブレイク。確実に加点していく。
 リリーフサーバーの道井を投入して変化を加えた。相手のミスも続いた。25−19でフィニッシュ。セットカウント3−1で勝ったジェイテクトSTINGSが3ポイントを手に入れた。

 ホームゲームで会心の勝利を収めた。
「今日の収穫は、第3、4セットで立て直せたこと。そこが昨日よりもよかった点です。チームメイトがより好きになったし、いいメンバー、いいチームだと思いました。このチームのキャプテンでよかったと素直に思いました」
 試合後の会見でこう話した本間。サントリー戦のショックは払拭した。次戦は2週間後、秋田のホームゲームで大分三好と対戦する。つかんだ自信を胸に、このまま白星を重ねていきたい。

フェデリコ・ ファジャーニ監督

勝てたことをうれしく思っています。土日で安定したプレーができました。一方、第2セットはパナソニックのサーブに苦戦しました。相手はサーブのバリエーションを増やしていて、逆に我々はコミュニケーションが取れていなかった。それでも、試合中にチームのレセプションシステムを改善できたことはよかったです。確かに連続失点はしましたが、長いシーズンの中ではこういうこともあります。リーグ戦は長いので、再来週の試合に向けて準備していきたいと思います。選手は今後も、ポジティブなマインドで練習に取り組んでほしい。このチームは高いポテンシャルを持っているということを理解してほしいと思います。

久保山尚

昨日はフルセットで勝ちましたが、第4セットはリードしているところから追いつかれ、最後はジュースの末に負けました。今日はそういうことがないように気をつけて臨みました。第2セットは、サイドアウトゲームの中、連続失点をしてしまったことが反省点です。自分のトス回しも、相手にデータを取られてバレていたと思います。それでも、第3、4セットはリードを守ったまま、しっかりと取り切ることができた。そこはチームとして成長した部分だと思います。自分の強みでもある両サイドのトスを継続しつつ、真ん中のミドルやパイプ攻撃でアクセントをつけることを意識しました。例え本数が少なくても、相手の印象に残ればブロックが遅れるし、それによって両サイドのスパイカーが楽に打てます。真ん中を意識したことが、今日の結果につながったと思います。

宮浦健人

取ったセットも取られたセットも点差が開いたということで、難しい試合になりました。それでも、みんながいいメンタルでプレーできたことはよかったと思います。途中で交代する場面もありましたが、その時点で自分の中ではうまく処理できていました。冷静に対応できたし、ベンチに戻ってからも、次のセットに向けていいイメージができていたと思います。また、先週のサントリー戦は、ミスをしたりブロックされたときにネガティブな感情になってしまい、難しいトスやハイボールに対してトライすることができませんでした。今週は、そういう場面になっても勇気を持ってガンガントライしていこうという気持ちで臨みました。そこが結果になって表れたし、今後もそういう気持ちが必要になってくると感じました。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

トランジションからの攻撃で加点。多くのタッチを取るなどブロックが機能した

ブロックでペースをつかんだ。第1セットは、藤中が2本、フェリペが1本のブロックポイントを稼いでいる。トータルで12本とパナソニックの8本を上回った。得点にはならなくても、粘り強くワンタッチを取って攻撃につなげた。試合後に福山はこう説明してくれた。「昨日の試合は、相手のクイックに自分が張り付いていました。それが理由なのかはわかりませんが、相手のセッターがファーサイドにトスを上げる場面が多かった。そのため今日はクイックを薄めに見て、サイドにどれだけ行けるかを試しながらやっていました。その結果、第1セットは移動しながら2枚でタッチを取り、切り返しもできていたと思います」。ブロックとディグの関係も機能し、トランジションからの攻撃で得点を積み重ねた。攻守において全員が躍動した会心の勝利だった。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 25 - 16
第2セット 19 - 25
第3セット 25 - 16
第4セット 25 - 19
第5セット
日付 2021年11月7日(日)
試合 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第8戦
場所 ウィングアリーナ刈谷
メンバー 藤中、福山、フェリペ、村山、宮浦、久保山 L本間
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