ジェイテクトSTINGS VS 大分三好ヴァイセアドラー

藤中のアクシデントもあり第1セットを失う。フェリペ、村山の活躍などで第2、3セットを取り返すが、サーブレシーブを崩されて競り負ける

 秋田でのホームゲーム。大分三好ヴァイセアドラーとの一戦は、いきなりアクシデントに見舞われた。第1セット、5−4の場面だ。藤中が味方選手と接触して右目あたりを負傷。交代を余儀なくされた。代わって入った都築はゲームにフィットしたが、少し“間”ができた。それでも、ジェイテクトSTINGSは落ち着いて試合を進め、都築がライトから決めて8−6。立ち上がりの主導権を握った。
 中盤以降もフェリペ、都築を軸にサイドからの攻撃が機能。要所で宮浦も得点を重ねていく。福山のブロックで19−13と、大きくリードを広げた。
 しかし、このあとが続かなかった。21−16から3連続失点。ファジャーニ監督はタイムアウトを要求するが、嫌な流れを断ち切ることができない。さらに22−19から5連続失点。大分三好のバグナスにサーブで攻め込まれ、23−25で第1セットを失った。

 しかし、ショックは引きずらない。第2セットに入って、すぐに本来の姿を取り戻した。フェリペのブロックで先制。このセットのスタートから戻ってきた藤中のバックアタック、宮浦のスパイクで3−1と先行する。セッターの久保山もオポジットの宮浦にトスを集めて攻撃を展開。久保山のブロックでブレイクポイントを奪うと、その後も宮浦、福山のスパイクで確実にサイドアウトを切り、8−4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 宮浦の独壇場だった。高い打点から強烈なスパイクを次々と決め、ゲームの主導権を完全に掌握する。ときにフェイントを織り混ぜて、大分三好の守備を翻弄した。圧巻は15−9となり、宮浦にサーブが回ってからだ。強烈なサーブで相手を崩し、怒涛の8連続得点。そのうちの3点を宮浦がサービスエースで決めた。
 1点を返されたが、宮浦に続いて藤中が決めてセットポイント。最後はフェリペが強烈なバックアタックをたたき込み、相手の得点を11点に抑えてジェイテクトSTINGSが圧倒した。

 セットカウントを振り出しに戻すと、続く第3セットは村山が躍動した。ネット際で強さを発揮して、3点を先行する。さらに村山のブロックで勢いをつけ、宮浦のサービスエースでブレイクポイントを奪った。1点を返されたが、7連続得点で12−2。大分三好は早くも二度のタイムアウトを消化した。
 村山はこの試合トータルで7本のブロックポイントを奪い、「リーグがはじまった頃に比べて、ブロックの形だったりステップの速さはよくなっている。練習でもそこを意識しているので、成果が少し出たのかなと思います」と自信を深めた。
 その後もジェイテクトSTINGSのペースでゲームが進行する。18−8となったところでファジャーニ監督は村山に代えて陳を投入。ワンポイントではなく、このセットの最後までコートに立ち続けた。
 サイドを中心に得点を稼ぎ、藤中の好レシーブから宮浦が決めて20−10。フェリペのサービスエース、久保山のブロックなどで勢いをつかみ、藤中のキレのあるスパイクでセットポイント。25−12でこのセットを連取した。

 勝負のポイントは第4セットだった。入りが悪かった。サーブレシーブを崩されて1−4。村山、フェリペが攻撃に変化を加えてサイドアウトを切るが、3連続失点で3−8。サービスエースを決められて5−11となったところで1回目のタイムアウトを要求した。
 拮抗した展開が続いた。福山のクイック、フェリペのブロック、宮浦の強打で3連続得点。フェリペは依然として高い打点からスパイクを放つが、なかなか点差が縮まらない。14−18となったところでファジャーニ監督は2回目のタイムアウトを要求。宮浦、フェリペの活躍で19−21と一時は2点差まで迫る。陳を投入し、宮浦のスパイクでしのいだが、最後は22−25でこのセットを落とした。
 第5セットも、序盤から大分三好にリードを許した。フェリペの気迫のこもったプレーでブレイクポイントを奪い、3−4とビハインドを縮める。宮浦も続いた。コートチェンジの後は藤中に代わって都築がコートイン。相手の攻撃をブロックで何度も止め、ラリーを制して8−8の同点に追いついた。役割はしっかり果たした。村山がブロックで続いた。
 11−12、相手のサーブに対してラインジャッジはアウトと判定したが、大分三好はチャレンジを要求。これがボールインと判定され、スコアが覆った。すぐに2回目のタイムアウトを要求したが、流れは相手に傾いたままだった。フェリペのスパイクが止められて大分三好のマッチポイント。フェリペのスパイク、村山のブロックで粘りを見せるが、13−15で敗れた。

 悔しい敗戦だが、明日もすぐに試合がある。
「まずは明日に向けて、コンディションをしっかり整えること。苦しい展開でもしっかり打ち切り、精神的に折れないようにやっていきたい」
 宮浦がこう話したように、気持ちを切り替えて明日の試合に臨みたい。

フェデリコ・ ファジャーニ監督

要所でいいプレーはありました。ただ、残念なことに、第4セットからは自分たちのプレーができなかった。特にスタートが悪く、サーブも効果的ではありませんでした。サイドアウトもうまく切れなかった。それでも、第3セットはすべての面でいいプレーができていたし、4分の3は我々がゲームの主導権を握っていたと思います。理想は3−1で勝つことでしたが、チャンスを生かせなかったことが敗因です。二度とこういう試合をしてはいけません。ただ、私はいつも前向きに取り組んでいます。この敗戦もポジティブにとらえ、明日の試合に臨みたいと思います。

藤中優斗

第1セットは取られましたが、第2、3セットはサーブが走っていい展開に持ち込むことができました。第4、5セットはサーブレシーブが乱れ、そこからリズムが取り切れなかったのが敗因だと思います。僕たちの問題なので、しっかり修正して明日の試合に臨みたい。第1セットの途中、味方選手と接触して、痛みと視力が戻らなかったため(都築)仁選手に頑張ってもらいました。第2セット以降は、視力が戻ってきたので出場しました。勝たなければいけない試合だったとは思いますが、負けてしまったことが事実です。自分たちの何が悪かったのかはわかっているので、気持ちを切り替えて対策をし、明日の試合に勝てるようにしたいと思います。

村山豪

相手にやられたというよりは、自分たちのミスだったり、リズムが取れなかったことがああいう結果につながったと思います。第1セットのリードしていた展開で、もう少し自分たちがやるべきことをしっかりやっていたら、もしかしたら結果は変わっていたかもしれません。ブロックに関しては、いつもは真ん中に対する意識が強くて、サイドに対して遅れることがありました。ただ、今日は自分自身でも割り切れたところがあり、思い切って両サイドにも真ん中にもいくことができた。自分の強みはサイドアウトを取れること。宮浦選手やフェリペ選手に負担をかけないためにも、真ん中でサイドアウトを切ることがリーグを通して大事になってくると思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

悔やまれる敗戦。気持ちを切り替えて明日の試合に臨みたい

「第5セットもチャンスはあったが、バレーボールはこういうもの。とにかく、うまくいかなかったことを、これから練習で詰めていきたい」。ファジャーニ監督の言葉がこの試合のすべてを物語っていた。ゲームの主導権はジェイテクトSTINGSが握っていた。それは、スタッツのあらゆる数字が証明している。チームのアタック決定率はジェイテクトSTINGSの53.1パーセントに対して大分三好の43.5パーセント。ブロックによる得点も、15点と7点の開きがあった。それだけに、第1セットの終盤と第4セットの序盤が悔やまれる。勝負ごとに「たられば」は禁物だが、長いリーグの中にはこういう試合もあるという割り切りも必要か。幸いなのは、選手たちが最後までファイティングポーズを取り続けていたこと。ファジャーニ監督も前を向いている。月並みだが、こういう敗戦のあとは、やはり気持ちの切り替えが重要だ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 大分三好ヴァイセアドラー
第1セット 23 - 25
第2セット 25 - 11
第3セット 25 - 12
第4セット 22 - 25
第5セット 13 - 15
日付 2021年11月20日(土)
試合 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第9戦
場所 CNAアリーナ★あきた
メンバー 藤中、福山、フェリペ、村山、宮浦、久保山 L本間
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