ジェイテクトSTINGS VS ウルフドッグス名古屋

2セットダウンで迎えた第3セットに陳、都築を投入。このセットを取り返すと、第4セットも最後まで粘りを見せた

 今シーズン初の愛知ダービーが、徳島のホームゲームで開催された。共に負けられない一戦は、しかし、ウルフドッグス名古屋のペースで進行した。

 序盤で1−4。相手のサービスエースで幕が開けた。フェリペのスパイクはわずかにアウト。試合の入り方で苦しんだ。チームを救ったのは福山だ。2本連続でブロックポイントを決めた。それでも、フェリペのスパイクが相手のブロックに捕まるなど、なかなかリズムをつかめない。藤中のスパイクが相手のブロックタッチを誘ったかに思われたが、チャレンジによってスコアが覆った。
 4−8で1回目のテクニカルタイムアウト。ここからは互いに1点ずつ取り合う展開が続く。藤中、宮浦のスパイクでサイドアウトを切った。9−12の場面、宮浦がサーブで攻めると、一本で返ってきたボールを宮浦が決めてブレイク。宮浦が高い確率でスパイクを決め、僅差のまま試合を進めていく。
 しかし、WD名古屋の傳田にサービスエースを決められて13−18。ファジャーニ監督はここで2回目のタイムアウトを要求する。村山のクイックでサイドアウト。さらに興梠を投入して守備を固めた。宮浦、フェリペが決めてサイドアウトを切った。最後まで攻める姿勢を貫いたが、17−25で第1セットを落とした。

 続く第2セットも失った。入り方がよくなかった。1−5になったところで早くも1回目のタイムアウトを要求した。しかし、フェリペのサーブを軸に、3−6から4連続得点。一時は逆転に成功した。さらに福山のブロックも決まり、1点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 中盤以降はWD名古屋のペース。チャンスボールを決め切れず、相手に得点を与えてしまう場面もあった。相手のサーブミスに助けられながら、なかなか本来のバレーを展開できない。12−12から4連続失点を喫し、苦しい状況に追い込まれた。
 サイドを中心に攻撃を仕掛けたが、なかなか開いた点差が詰められない。ラリーに持ち込んでも、ミスで相手に点数を与える場面も多かった。最後まで勢いに乗れず、18−25でこのセットを落とした。

 10分のインターバルがあり、第3セットはフレッシュな布陣でスタートした。村山に代わって陳が、藤中に代わって都築がコートに入ったのだ。
 これでチームが生き返った。1回目のテクニカルタイムアウトを8−6。都築、フェリペがサイドアウトを切り、要所で福山が高さのあるクイックを決めた。何より、接戦に持ち込んだ最大の要因は、ルーキー都築の活躍に他ならない。高さを生かしたスパイクで、相手の守備を翻弄した。チャンスボールを確実に決める勝負強さも光った。
 宮浦もトップフォームを取り戻した。高い打点から何度も強烈なスパイクをたたき込んだ。さらに本間、フェリペが粘り強くボールをつなぐと、宮浦がブロックで得点を重ねた。フェリペのブロックで16−13。その後も都築のスパイク、福山のブロックなどで得点を重ねていく。
 興梠、道井を送り込んで、試合を落ち着かせた。フェリペがフェイントを落としてセットポイント。相手にブレイクポイントを奪われるが、タイムアウトで嫌な流れを断ち切った。フェリペのサーブレシーブは乱れたが、セッターの久保山がワンハンドでトス。それを陳が決めて25−21。このセットの奪還に成功した。

 第4セットは我慢の展開が続いた。フェリペがポジション5から2に替わったことも、都築が高い確率で得点を決めている要因に挙げられる。本間とフェリペが2人でサーブレシーブを担う場面が増え、都築が攻撃に専念できるようになった。リズムを取り戻し、攻撃の選択肢も広がった。宮浦が決めて8−5。その後も都築にトスを集め、確実にサイドアウトを切っていった。
 都築が後衛に回ると、宮浦のバックアタックでサイドアウトを切っていく。僅差のリードをキープしたまま中盤まで進行するが、15−13から4連続失点。WD名古屋のクレクにサーブレシーブを崩された。都築のスパイクで1点を返すが、今度は3連続失点。16−20と一気に引き離された。
 終盤は金丸、道井を送り込んで諦めない姿勢を見せた。真骨頂は相手にマッチポイントを握られてからだ。19−24。陳のクイックでサイドアウトを切った。難しいトスを宮浦が打ち切り、得点につなげた。一度は相手の得点になったものの、チャレンジによって判定が覆った。ブロックで粘り強くワンタッチを取り、フェリペのスパイクでラリーを制した。相手のスパイクがアウトになって23−24。あと1点。しかし、最後はWD名古屋のクレクに決められ、23−25で敗れた。

 簡単に負けなかった。相手にマッチポイントを奪われてからの4点は、日曜日の試合につながるものになった。
「第4セットはいいプレーができました。逆転されたが、最後まで諦めずにプレーした。第4セットのような姿勢が、日曜日の試合につながります」
 試合後にこう振り返ったファジャーニ監督。1日置いて、次の試合は日曜日に行われる。今日の敗因ははっきりしている。修正は可能だ。愛知ダービーの第2戦は、リベンジの一戦となる。

フェデリコ・ ファジャーニ監督

選手が少し硬く、試合の入りがよくありませんでした。いくつかのシステムが機能しなかったのが原因だと思います。第3セットからはメンバーを少し代えて、ジェイテクトSTINGSらしいバレーができるようになりました。ミスが少なく、サーブの効果率もよかったと思います。途中から入った選手が、チームに大きく貢献してくれました。特に都築選手は73.3パーセントと高いアタック決定率を残しました。第3セット以降のバレーは、日曜日の試合につながります。WD名古屋のようなチームと対戦するときは、一つひとつのボールを大切にしなければいけません。常に高い集中力でプレーすることが求められます。日曜日の試合もそこがキーポイントになるでしょう。

本間隆太

第1、2セットの負け方がよくなかった印象があります。ただ、第3セットから立て直せたことは今日の収穫です。大事なのは、チームとして悪かったところを、明日でいかに修正するか。ミーティングをするなり映像を見るなりして、明後日の試合に向けて頑張りたいと思います。サーブレシーブに関しては、相手が徹底してアウトサイドヒッターの2人(フェリペ、藤中)を狙っていました。クレク選手などビッグサーバーにブレイクされる分には仕方がないと割り切っていたのですが、第1、2セットは相手がフローターサーブのときに1本で切れない場面が多かった。相手がリスクを負っていないのに、パスが返らずにサイドアウトが切れないのはもったいないと思いました。

村山豪

クレク選手のプレーは映像で見ていましたが、実際に試合をやって高さやパワーがまったく違いました。特に今日はパワーで負けていた。弾かれてしまうこともあったけど、自分なりにわかったこともあります。次の試合では、タッチだったりディグとブロックの関係を修正したいと思います。今日の試合を通して、自分たちのリズムを作ることが大事だと感じました。もう一度、気持ちを切り替えて、チームとして調整して日曜日の試合に臨みたい。もちろん、チームが勝つことが第一ですが、見に来てくれるファンの方々に喜んでもらえるプレーをすればいいバレーが展開できると思います。チームとしてもそうですが、ファンの方々と一体感を出して試合に臨みます。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

明暗を分けた試合の入り方。日曜日は第1セットが極めて重要になる

やや乱暴な言い方だが、試合の入り方に尽きる一戦だった。第1セットは1−4、第2セットは1−5と相手に先行を許している。相手のサーブがネットインで決まるなど、アンラッキーなところもあった。硬さもあったかもしれない。大味な展開に終始し、なかなかサイドアウトが切れなかった。「相手のサーブにそれほど苦戦したわけではありません。サーブレシーブというよりは、やはり第1、2セットの入りがよくなかった。サーブレシーブを取る範囲も、もっと確認しなければいけなかったと思います」。試合後にこう振り返ったファジャーニ監督。ミドルブロッカーの打数、決定率が低いのも少し気になるところだ。しかし、幸いなことに、次の試合まで中1日空いている。おそらくまったく違う試合展開になるだろう。いずれにせよ、日曜日の試合は第1セットが極めて重要になる。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS ウルフドッグス名古屋
第1セット 17 - 25
第2セット 18 - 25
第3セット 25 - 21
第4セット 23 - 25
第5セット
日付 2021年12月3日(金)
試合 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第13戦
場所 アミノバリューホール
メンバー 藤中、福山、フェリペ、村山、宮浦、久保山 L本間
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