ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

攻撃が噛み合わず相手のペースで試合が進む。途中から入った柳澤が流れを変えたが、堺のパワフルな攻撃に押し切られた

 早くも重要な一戦を迎えた。2022年最初のゲームは、堺ブレイザーズとのリベンジマッチだ。敗れた天皇杯の借りを返さなければいけない。しかし、試合は予想外の展開からスタートした。

 宮浦のスパイクがいきなり止められた。次はフェイントでしのいだが、なかなかペースをつかめない。フェリペがブロック、スパイクで加点。しかし、再び宮浦のバックアタックが止められるなど3連続失点を喫した。都築のスパイクなどでサイドアウトを切るが、2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 久保山のトスワークは悪くなかった。要所で福山、村山のクイックを使い、サイドアウトを切った。しかし、跳ね返された宮浦のスパイクがことごとく自コートに落ちる。宮浦が早くも5本目の被ブロックに遭い、11−16と点差を広げられた。
 追いかける展開の中、ベンチの動きも早かった。セッターを久保山から道井にスイッチ。終盤には都築に代えて藤中をコートに送り込んだ。しかし、5連続失点で13−23。ようやく宮浦が調子を取り戻し、フェリペのブロックなどで3連続得点を奪うが、開いた点差はあまりに大きく17−25で第1セットを落とした。

 第2セットは互いに1点ずつ取り合う展開からスタートした。セッターの久保山が巧みにトスを散らし、フェリペ、村山、都築、福山のスパイクでサイドアウトを切った。1回目のテクニカルタイムのあとも、センター線のクイックを絡めたコンビネーションは機能していた。
 守備を固めたいジェイテクトSTINGSは都築に代えて柳澤を投入した。「得手不得手はありますが、彼は試合ではいつもベストを尽くしてくれる。以前はジャンプフローターサーブでしたが、今はジャンプサーブの練習もしていて、今日も効果的なサーブを打っていました。柳澤に対する評価は非常にポジティブです」とファジャーニ監督。フェリペ、宮浦のスパイクなどで拮抗した展開に持ち込んだ。しかし、18−21と引き離されたところで2回目のタイムアウトを要求。陳を送り込んだが、流れを大きく変えることができない。
 それでも、村山がサービスエースを決めるなど意地は見せた。21−25でこのセットを落としたが、勝つチャンスはまだ残されていた。

 第3セットは序盤からいいペースで試合を進めた。チームを救ったのが村山だ。堺の樋口、バーノンのスパイクを立て続けにブロック。チームを勢いづけた。さらにフェリペ、村山のブロックなどで3−2から4連続得点。3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 光が見えた。しかし、フェリペ、宮浦のスパイクが止められ、再び同点に追いつかれる。柳澤のスパイクなどで波に乗りかけたが、4連続失点でついに逆転を許した。
 明るい材料の一つが、本間のサーブレシーブだ。10本のサーブを受け、10本のサーブレシーブに成功。安定した守備で、後方からチームを支えた。
 柳澤もサーブで攻めた。ドライブ回転をかけたジャンプサーブで相手の守備を崩した。17−16の場面では強烈なサーブを打ち込み、村山のダイレクトスパイクをお膳立て。巻き返すかに思われた。
 しかし、勝負どころで連続失点。サービスエースを決められ、宮浦のスパイクも止められた。18−21。ここから粘り強くサイドアウトを切っていくが、最後は22−25で敗れた。

 大事な試合をストレートで落とした。悔しさは残る。しかし、まだリーグ戦は終わっていないし、巻き返すチャンスも十分に残されている。
「まずは自分たちのリズムでプレーしないといけないし、もう少し丁寧にプレーしなければいけません。明日は新しい試合なので、新しいメンタリティで臨めば、きっと勝てるでしょう。このチームには勝つチャンスがあります」
 試合後にこう話したファジャーニ監督。正念場の試合が続くからこそ、しっかりと前を向きたい。

フェデリコ・ファジャーニ監督

パフォーマンスが悪く、ファンの方に申し訳ない試合になりました。ただ、この場では言い訳をしたくありません。誰がコートに入っても自分のベストを尽くさなければいけないし、相手を恐れることなく勇気を持ってプレーすることだけを選手に求めていました。もちろんうまくいく時もあればうまくいかない時もあります。技術的にもまだ足りていないところがある。ただ、このチームはポテンシャルが高いので、明日はまた新しいゲームになると思います。

柳澤広平

久しぶりの出場になりましたが、思ったよりも緊張せず、いつも通り調整してきた部分を出すことができました。自分が入るまで、パスが返らずになかなかコンビが組めない状況が続いていました。その状況で都築選手と交代するということは、レセプションを安定させてコンビの回数を増やすことが僕の役割です。コートに入ったら、そこに重点を置いてプレーしようと決めていました。試合に出ることも大事ですが、普段から自分がコートに立った時を想定したり、出ていなかったとしてもコンディションを落とさず、自分の準備をしっかりやっていきたいと思います。

村山豪

年明け最初ということですごく大事な試合でしたが、得るものはあったし、改善すべき点も見つけられたので、いい試合になったと思います。天皇杯が終わってから時間が空いたこともあり、3人のセッター一人ひとりに要求したり、逆に要求されるなど、お互いにカバーし合うことを意識しながら詰めてきました。今日は(柳澤)広平さんが第2セットから入ってコートの中でいい雰囲気を出してくれました。明日はそれを第1セットからやっていきたいです。自分たちのバレーをすることを意識すれば、必ず勝機は見えてくる。1本1本を丁寧に、最後まで諦めずに頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

FC東京の頑張りに報いるためにも、ファンに「また来よう」と思ってもらえる試合をしなければいけない

少し厳しいことを書こうと思う。昨年12月、バレーボール界を揺るがすニュースが飛び込んできた。FC東京バレーボールチームの活動休止だ。同じトップリーグを戦う仲間として、残念な思いをしたファンも少なくないに違いない。FC東京は今後、その歩みを止めるまで必死にプレーするだろう。一つひとつのプレーに、一球一球に全身全霊を傾けてくるはずだ。ファンに応援してもらうために。悲しい思いを繰り返さないために。そして、前を向くために。「NeverGiveUp東京」のハッシュタグがその証である。ならば、会場は違っても、バレーボール界を盛り上げるために魅せる戦いをしなければいけないのではないか。最後まで諦めない姿勢を見せなければいけないし、点を取ったら全身で喜びを表してもいい。何より、ファンに「また見に来よう」と思ってもらえる試合をすることが重要だ。リーグ戦はまだ中盤に差しかかったばかり。一つでも多く、そういう試合が見られることを願っている。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 17 - 25
第2セット 21 - 25
第3セット 22 - 25
第4セット
第5セット
日付 2022年1月8日(土)
試合 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第15戦
場所 ジェイテクトアリーナ奈良
メンバー 福山、フェリペ、村山、宮浦、久保山、都築 L本間
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