ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

ラリーを制することができず失点を重ねる。第3セットはフェリペのサービスエースで序盤のリードを奪うが、最後は堺の勢いに押された

 ジェイテクトSTINGSのオーダーに若干の変化があった。前日の試合で活躍した柳澤をスタートから投入。興梠がリベロ登録で入り、本間とともに守備を固めた。
 柳澤のサーブからスタートした第1セット、堺ブレイザーズのバーノンのスパイクを久保山がつなぐと、興梠のハイセットを宮浦がライトから強打。幸先よく1点を奪った。フェリペのスパイクは立て続けにアウトになったが、福山のクイックで嫌な流れを断ち切った。その後は本調子を取り戻したフェリペが硬軟織り交ぜたスパイクで加点。チームの勢いは、明らかに前日までとは違っていた。
 フェリペが気迫のこもったプレーでチームを引っ張る。本間がコートを縦横無尽に駆け回り、アタッカー陣にボールをつないだ。本間のAパスからフェリペがバックアタック。宮浦、柳澤も空いたスペースにボールをピシャリとたたき込んだ。一方で課題もあった。ラリーが奪えないのだ。苦しい体勢から放ったフェリペ、村山のスパイクは相手の高いブロックに阻まれた。
 ベンチの動きは早かった。サービスエースを決められて10−13となったところで、1回目のタイムアウトを要求。その後、村山が2本連続でブロックポイントを決めた。拮抗した展開は続いていた。しかし、流れは徐々に堺の方へと傾いていく。ラリーの中で宮浦のバックアタックが止められ、13−16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 14−16の場面で、柳澤から郡にスイッチ。しかし、サーブレシーブの失敗が響いて連続失点を喫する。14−19となったところで2回目のタイムアウトを消化した。福山のスパイクで1点を返したもののそこから再び4連続失点。宮浦のスパイクなどで意地を見せるが、18−25で第1セットを失った。

 第2セットも追いかける展開。気を吐いたのが宮浦だ。高い打点から左腕をフルスイング。自らのサーブで相手の守備を崩すと、強烈なバックアタックをコートに突き刺した。フェリペもハードワークし、攻守にわたって活躍。村山のクイックにもキレがあった。
 我慢の時間は、柳澤が強打をたたき込んでチームのムードを盛り上げた。宮浦のスパイクにはパワーがあったし、フェリペも高い打点から鋭角にスパイクをたたき込んだ。チームの集中力は極めて高かった。
 僅差のまま中盤から後半へ。柳澤がライトからフェイントをポトリと落として14−16。柳澤が好レシーブでつないだボールをフェリペが決めて1点差に迫った。藤中を投入し、守備を固めた。
 しかし、終盤は細かいミスが続いて4連続失点。陳を送り込んで前衛を厚くしたが、大きく流れを変えるには至らない。21−25でこのセットを落とした。

 第3セットは陳がスタートから入った。フェリペのスパイクでラリーを制した。陳もクイックを決めた。ハイライトはここからだ。フェリペのスパイクでサイドアウトを切って3−3。フェリペが2本連続でノータッチエースを決めた。会心の一撃だった。5−3とリードを広げ、ゲームの流れをつかむかに思われた。
 しかし、7−5から3連続失点。相手のペースでゲームを進めてしまった。柳澤のスパイクで1点を返したものの、再び3連続失点。サーブレシーブの精度は悪くなかったが、攻撃がやや単調になった。
 ここでファジャーニ監督はタイムアウトを要求。セッターの久保山は、陳のクイックで果敢に攻める。フェリペがサーブで攻め、陳のクイックでブレイク。再び1点差に迫った。
 13−16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。宮浦のインナースパイクでブレイクを奪うが、そのあとが続かない。柳澤がサービスエースを決めるが反撃もここまで。5連続失点を喫し18−25で敗れた。

 昨年から続く連敗は4に伸びた。順位も7位に落としている。悔しいが、来週は刈谷でのホームゲームだ。チームに下を向く者は一人もいない。
「来週のホームゲームでは、11月のパナソニック戦で見せたような戦う精神を見せたい。内容がすごく大事だと思っているし、試合の入り方も意識しなければいけません」
 試合後にこう話したファジャーニ監督。正念場の試合は続く。

フェデリコ・ファジャーニ監督

自分たちがやりたかったバレーが展開できませんでした。途中から入った選手も含め、全員がベストを尽くしてくれました。ただ、今日は堺さんの勝利を讃えたいと思います。勝てなかったことは、どちらかというとメンタルに問題があると思います。このチームには高いスキルがあります。大事なのは、言い訳をすることなく、練習に一生懸命取り組むこと。まだリーグは中盤に差し掛かったばかりなので、練習がもっとも重要です。ファンの方には申し訳ない試合をしてしまいましたが、来週のホームゲームに向けてポジティブに取り組んでいきたいと思います。

本間隆太

結果は不本意ですが、実力的に勝てる要素が少なかったということも認めなければいけません。なぜダメだったのかを突き詰めていかないと、いくら全員が声を出しても勝てないので、そこをもう少し明確にしていきたいと思います。個人的には数字にこだわらず、いい状況を一本でも作るというモチベーションでプレーしています。年末にアナリストからデータの共有があったのですが、サイドアウトをラリーで取れないというケースが、今日も昨日もありました。確かに宮浦選手にもマークがついていたし、1本で決めるのは難しい。それならば、ラリーになってもどうにかして1点を取りたいという思いが個人的にはあります。監督も試合中に言っていたのですが、「楽しんで、アグレッシブにプレーする」ことは大前提。あとは一人ひとりが自分のやるべきことを果たすことにフォーカスして、しっかりと準備をしていきたいと思います。

宮浦健人

相手の思うようにやられてしまい、自分自身の力のなさを感じました。役割を果たせていなかったところがあるので、もう一度、自分の中で整理をして、リーグを通して成長していけたらと思います。スパイクに関しては、昨日は相手のブロックに対する状況判断がうまくできていませんでした。相手の駆け引きに、うまくハマってしまいました、ただ、今日はサイドのブロックを見ながら打とうと思っていて、そこはなんとかできたと思います。とは言え、失点も多かったので、勝負するところは勝負するなど、考えながらプレーしなければいけません。通過点なども意識してやっていきたいと思います。来週はホームゲームですが、まずは自分たちのベストを尽くすことを心がけたいです。アグレッシブに、泥臭くプレーしていきます。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

課題はブロックディフェンスと2本目の精度。やるべきことをコートの上で実践するのみ

キャプテンの本間はラリーが取れないことを敗因の一つにあげた。確かにラリーが長くなればなるほど、力任せに打ったスパイクが相手のブロックに止められた印象だ。本間は言う。「大事なのはブロックディフェンスです。それから、2本目の精度。数字には出ないところですが、ハイボールを打つ宮浦選手やアウトサイドの選手になるべくいい状況を作ってあげなければいけません。上位のチームになるほど、ブロックが3枚ついたときは高いし、スパイカーにとってすごいプレッシャーになると後ろから見ていて感じました。3本目頼みになってはダメ。まずは1本目を、ブロックディフェンスでできるだけ多く上げる。そこから2本目の精度を高めるということを、僕が責任を持ってやっていきたいと思います」。やるべきことははっきりしている。あとは、それをコートの上で実践するのみだ。本間の言葉から、その覚悟が伝わってきた。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 18 - 25
第2セット 21 - 25
第3セット 18 - 25
第4セット
第5セット
日付 2022年1月9日(日)
試合 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 第16戦
場所 ジェイテクトアリーナ奈良
メンバー 福山、フェリペ、柳澤、村山、宮浦、久保山 L本間
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